欲望の街、ブラックシティ
前回に続き、この街のポケモン産業を紹介しよう
タブンネというポケモン
奴隷として、街中至る所でその姿を見かけることができる
外敵から身を守る術を持たないこの劣等種は、人間の奴隷として飼われる事でしか生きることしかできない
その小汚いピンクと白の体毛は、野生ポケモンにとっても的でしかない
今回は、奴隷タブンネを生産する過程についてを見ていこう
ブラックシティに強制連行されてきた野生タブンネは、枷を付けて、人間のために働く奴隷として生まれ変わる
主な調達先は一つの大きな集落であり、生息する個体全てを丸々乱獲する
タブンネは無駄に繁殖力が高く、イッシュ地方の多くで集落が確認されている
ブラックシティでは日々、多くのタブンネの死骸が廃棄処分されているが、新しいタブンネの供給が尽きた事は過去に一度も無い
所詮、タブンネなど使い捨てのゴミと同等である。いくらでも代えが利くのだ
野生のタブンネを服従させるため、まずは作業員が死なない程度の暴力を加える
『ミッ!ミッ!』
このタブンネは、今回の調達先の集落で一番身体の大きな個体だ
まるで迫力を感じられないその醜く肥えた顔で、作業員を威嚇している
ここは、大量の檻が並んだ巨大倉庫
檻の外で作業員と向かい合っている一匹を除いて、一つの集落に生息する全てのタブンネが、檻の中へと押し込められていた
その個体には何も拘束を行わず、自由にさせる
ただ、屈強な肉体を持つ作業員が道を塞いでいるため、逃げることはできない
檻の中のタブンネたちは、群れで一番のタブンネが、今にも人間を打ち倒し、自分たちを解放してくれるなどと信じていた
群れ全体で応援するかのように、喧しい鳴き声で騒いでいる
『ミィィ!』
それに呼応するかのように、タブンネは、渾身の捨て身タックルを作業員にぶつけた
しかし、作業員はビクともしない
作業員は、無言でタブンネを引き倒し、マウントポジションを取る
そのまま腕に力を込め、タブンネの腹目掛けて拳を振り下ろした
『ミボォ! ・・・・・オゲェェェェェェェ!!!!!!!』
たまらず胃の中身を吐き出すタブンネだったが、作業員は続けて拳を振り下ろす
先程よりも速いペースで、何度も、何度も、振り下ろした
『ミイィィ・・・ミヒィィィ・・・・・』
胃の中身を全て吐き出したのか、タブンネは短く息を吐き続けていた
作業員は手を止めると、今度はタブンネの顔面を、靴底でグリグリと踏みつけた
『ミィ! ミィィィ!』
タブンネは怒りを孕んだ声をあげ、イヤイヤと身を捩り抵抗する
タブンネという種族は、その小汚い見た目に似合わず自尊心が高い
野生で生きる他のポケモンとは違った、悪い意味の個性であるピンク色の体毛がその原因だと言われているようだ
自分の種族だけが特別なポケモンだと思い込み、付け上がるという、醜悪な精神を持ち合わせている
よって、顔を踏みつけられるのはかなりの屈辱なのだろう
そのちっぽけな自尊心など、人間の手にかかれば無意味なものだが
タブンネが抵抗する素振りを見た作業員は、再びマウントを取り、腹目掛けて拳を叩き込んだ
『ミギャッ!』
涙を流そうが、血反吐を吐き出そうが、抵抗しなくなるまでこの工程は繰り返されるのである
二時間程殴られると、タブンネは顔を踏みつけられても抵抗しなくなった
息苦しいのか、叫ぶことすらせずに、濁った目から涙を流している
くだならい自尊心を叩き折るには、暴力を加えるのが一番効果的だ
タブンネの精神など、痛みによって支配してしまえば簡単に堕ちてしまう
作業員は仕上げに入る
まずは、長く伸びた触角を片方を、乱暴に引き千切った
『ア”ア”ア"ア"ア”ア”ア"ア"!!!!!!!!!!』
神経が集中した触角を千切られ、タブンネは枯れた喉で悲鳴をあげた
血だけではなく、様々な体液が飛び出している
作業員は、ジタバタと暴れ回るタブンネに、冷たく重い鋼鉄の首輪を嵌めた
奴隷用の特注品であり、リモコンで起動する小型爆弾が付いているものだ
そして最後に、腹と背中に熱した焼き鏝を押し付ける
ブラックシティの刻印であり、人間のために死ぬまで働き尽くすという、奴隷タブンネとしての存在証明である
タブンネはぐるんと白目を剥き、泡を吐いて気絶した
目が覚めてからは、奴隷としての新しい生活が始まるだろう
檻の中のタブンネたちはどう感じただろうか、言うまでも無い
集落で一番強いと思われていたタブンネが、いとも簡単に人間に服従したのだ
絶望と恐怖で、とっくに精神が折れているだろう
大量の折が置かれた倉庫は、タブンネの悲鳴一つ無く、しん、と静まり返っていた
こうして、効率良く、他の個体も人間に服従する
今のタブンネと同じように、身体の一部を欠損させ、顔面は再生力で修復出来ない程、グチャグチャに変形させてしまう
より醜くなったタブンネたちは、奴隷の焼印と首輪を晒しながら、今日も、明日も、街中を歩く
その労働力によって、ブラックシティの人々は、快適な生活を維持することができるのである
終
最終更新:2014年09月20日 00:27