楽しいタブ狩り掘

「ミィーーーーーーッ!」
今日も山の中で子タブンネの甲高い悲鳴がこだまする
この山にはファミリー向けのキャンプ場があり、登山道や釣り場なんかがあるのだ
その中に、1メートル程のトタンの塀で囲まれた一角がある
そこにキャンプ場にねぼすけのママを残したの父子が訪れた
「パパー、これやりたいよー!」
「わたしもやるやるー!」
「へえ、こんなのがあるんだ。おじさん、3人お願いします」
「あいよ、3人で900円ね」
おじさんは父子に1本ずつ太い木の棒を渡した。
そして家族は扉を開け、低い塀の中の原っぱに入っていく
カサカサカサ…
「あー!いた!」
「ミィッ!?」ビクッ
草むらの中に居たのはタブンネ、と言ってもまだ40センチほどの子タブンネである
「それ、ヒロム、やっちゃえ!」
「待て―!」
「ミィィィィィィィィィ!!!!」
子タブンネは短い足で必死に逃げますがすぐに追いつかれ、脳天に棒の一撃を喰らってしまった
そのダメージで子タブンネは転んでしまいました。少年はそこを狙ってさらに棒でメッタ打ちにした
「えいっ!とうっ!やあっ!
バシッ!ビシッ!ゴッ!バシーン!ビシッ!
「ミギュヒィ!ミキッ!ギュミィ!ヒィッ!ヒィッ!ヒィッ!ヒィ!ビャアアアアア!!!」
タブンネは棒で殴られる度にバタバタと激しくのたうち回ったが、殴られる度にだんだんリアクションが小さくなり
20発も殴られるとほとんど反応しなくなってしまった
「フィィ・・・」
「よーしそのへんでいいだろ、ソリに乗せよう」
「はーい!」
男の子は子タブンネの耳をぎゅっと掴んで持ち上げ、ドサリとソリの上に乗せました
「パパー、やったよ!」
「ははは、ママの所で料理してもらうのが楽しみだな

そう、囲いに囲われた原っぱは「タブンネ狩り掘」だったのだ
50メートル四方の草だらけの四角い土地にはたくさんのタブンネが放され、中で自由に狩る事が出来る
安全面を考え、放流されてるのは子タブンネかあんよができるくらいの赤ちゃんタブンネばかりで子供でも安全に狩る事が出来る
「ミィー!」
「うわっ、これはでかいな。ここはパパがやっちゃうぞ!」
「あーっパパだけ鉄でずるい―っ!」
最初に渡される木の棒だが追加料金で猟具を借りる事ができる
鉄の棒、ヤリ、とげ付きこん棒、さすまた、虫とり網などだ
猟具のほかにも狩り用のポケモンやおびき寄せるための餌などもある
ちなみにパパが今殴っているタブンネはさっきのタブンネの兄タブンネである
「チィチィ…」ヨチヨチ
「ミィッ!」
「ん?ちっちゃいタブンネだなぁ」
「あたしがとるー!」
赤ちゃんタブンネだと小さくて動きも遅いので手づかみで捕まえるのも可能だ
「チィチィ♪」スリスリ
「かわいーっ!この子はあたしが食べるぅ!」
「ミィィィィ!!!」
ちなみにこの赤ちゃんタブンネはさっきのタブンネの妹タブンネである


「ふう、いっぱいとれたなあ、この辺でひきあげようか」
「えーっ!もっとやりたいよー」
狩ったタブンネは買い取りという形になっていて子タブンネは200円、ベビンネは80円である
「ワタ抜きお願いします」
「あいよー」
「ミギュアアアアアアアアアア!!!!」「チィィィィーーーーーー!!!」
「うわーっ、うるせー!」
狩ったタブンネはおじさんに頼めば内臓と毛皮を取ってくれてすぐに食べられる状態にしてくれる
上手くさばけないという初心者でも安心だ
ベビンネだと串焼きにしてその場で食べることもできるのだ

「ママ、びっくりするだろうね」
「ははは、そうだな、今日はごちそうだ」
「はむはむ・・・」(さっきのベビンネの串焼きを食べている
幸せそうに去っていく家族を檻の中にギュウギュウに詰め込まれた子タブンネ達が涙を流しながら見つめていた
この子タブンネたちはキャンプ場の近くで捕まった十数匹の♀タブンネに産ませた子タブンネなのだ
♀タブンネはキャンプ場の裏で鎖に繋がれて飼われていて
残飯やヌカやオカラをのみを餌に命が尽きるまでタマゴを産まされ、子供たちの悲鳴を聞き続ける事になる
子供たちが人を喜ばせている事を涙を流しながらとても喜んでいるだろう

楽しくて美味しいタブンネ狩り、キャンプ場に来たら是非お試しあれ
最終更新:2014年09月20日 00:33