タブンネのいる一日

AM6:00 起床、新聞を取りに行くと庭のオボンの木周辺にタブンネの死体が数体転がっていた。うちのヘルガーがやったのだろう、証拠にベビンネを齧っていた
AM6:30 朝食を食べながらテレビのニュースを観ているとポケセンのナースタブンネがまた殺処分されるという話題が出た、経費削減だからってナースくらいけちるなよ
AM7:30 家を出る。途端に「ミィミィ」という声が、見るとタブンネが自分の子にうちの門の前で糞をさせていた。糞が終わると「よくできました」といったような顔でチビンネの頭を撫でていた。
うちを便所にしてんじゃねえ、取り敢えずママンネは尻尾を抜き取り追い払い、 チビンネは指定のゴミ捨て場に捨てた。しばらくしてママンネがゴミ箱からチビンネを救おうとしたのでベトベトンに毒突きをさせた。
「ミギィ!!」という声と共に倒れこむママンネ、ピクピクと痙攣するママンネと必死に助けを求めるチビンネの声をバックコーラスに出勤
AM7:50 駅に向かうバスの窓から外を眺めていると、首に縄をくくりつけられたタブンネが消防共に引きずられていた。耳が片方無い、あのまま学校に連れ込まれおもちゃにされるのだろう、
いくら経っても子どものやることは変わらない
AM8:10 駅で電車に乗る。どうやら某路線がタブンネとの接触事故で停まったらしい、またか、いい加減対策しろ
AM9:00 出社、玄関口で警備員にタブンネが締められていた。こんな都会にまで野生のタブンネが出てくるとは、よもまつだな
PM0:00 昼休みのため外へ、行きつけの店に行く途中にタブンネ駆除車とすれ違う、相変わらず大漁のようだ。はるか遠くからでも捕まったタブンネたちの悲鳴が聞こえる。
あのタブンネたちは処分場に送られてみんな仲良くフーズになる。
そう言えば帰りにうちのポケモンたちのフーズを買っていかなければ
PM0:15 定食屋でタブ丼を注文、しばらくして目が死んだタブンネが膳を運んできた。タブ丼を食べている間厨房からは絶えず唐揚げ用のベビンネの悲鳴が上がる。
それを耳を抑えてブルブル震えながら聞くさっきのタブンネ。タブ丼美味しかったです

PM0:40 会社に戻る途中でタブンネ一家に遭遇、ママンネがベビンネを抱えてうるうるおめめで餌をねだってきた。一方パパンネは「餌を出さないとひどい目にあうミィ」と言いたそうな顔で身構えていた。
俺は笑顔でタブンネ一家を近くのタブンネ引き取り所に連れていき、「ここなら餌をたくさんもらえるよ」とタブンネたちに笑顔で告げてから別れた。
タブンネたちは礼も言わずに引き取り所の奥へ消えて行った。もちろんあそこに連れてこられたタブンネは様々な方法で世間の役に立ってもらう
PM1:30 トイレに行こうと休憩室の前を通ると、サンドバック用のタブンネが新品に取り替えられていた。と言っても早速ボコられたのか、体中にアザができている。
さながら色違いのようだ。行きがけの駄賃に一発入れておく、「ミグゥッ!」という声が心地よかった
PM3:00 有給が余りまくっていたので、今日はここで帰宅させてもらう。その後市役所へ、いつものごとく待たされていると、入り口から大勢のタブンネが「ミッミィ♪」
と何が可笑しいのか互いに談笑しながら入ってきた。それを連れている男が市役所の人と何事か話しをし、
その後タブンネたちと一緒に奥へと案内されていった。
PM4:00面倒な手続きが終わって外へ出ると先ほどのタブンネの集団が目に入った。どれもさっきの笑顔はどこへやら、目に涙を浮かべて俯きながらトラックに載せられていた。
目を凝らしてよく見ると全てのタブンネの白くて太った腹に焼印が入っていた。成程、あいつら食用か
PM5:00 ポケモンショップでミィミィフーズと餌用ベビンネを購入、可愛がっていたベビンネを引き剥がされる時のママンネの顔はとっても面白い

PM6:00 家への道を歩いていると近所の広場に沢山の人が押しかけていた。ちょっと覗いてみると広場の中央に大きな釜が複数置いてあり、
地獄のように煮えたぎっている。すると入口の方に設置されたアーチから、沢山のタブンネがおててを数珠つなぎにされて行進してきた。
そうここでは月に一度ほど捕獲したタブンネを処刑してみんなで美味しくいただくのだ。茹で上げる時のタブンネたちの悲鳴は
まだ捕まっていないタブンネたちへの警告にもなる。今から処刑されるタブンネたちを先導するのもタブンネ、こいつらは仲間を殺す代わりに助命されたいわば裏切り者だ。
その裏切りンネたちが踊りながらタブンネたちを数珠つなぎにした縄を引いていく、そして釜の前にタブンネたちが整列し、
先頭のタブンネが縄を切られ処刑台代わりの釜に架けられた階段を登っていく、この瞬間どのタブンネもこの世に生まれてきたことを後悔するのだ。
「ミピュアアァァアア!!!」という断末と共に次々と裏切りンネによって釜に落とされていくタブンネたち、落とされたタブンネがしばらくして茹で上がると、元のピンクの体が真っ赤になっていた。
このあと全員の処刑が終わるとおいしいタブ肉が配られるのだが、今日は帰ることにした
PM6:15 帰宅。今朝のゴミ捨て場を見るとベビンネママンネともに回収されていた。ご苦労さまです。うちのポケモンたちに餌用ベビンネを与えてから風呂に入った。
今から食われるに呑気にチィチィ♪とじゃれあうベビンネたち、やっぱりアホだな。
風呂で湯船に浸かっていると外からタブンネの「ミギャア!?」という悲鳴が、大方バカンネがどこかの家の罠に引っかかったのだろう

PM7:00 晩飯。テレビをつけるとタブンネ狩り大会優勝者たちのドキュメンタリーをやっていた。
ある優勝者は自宅の敷地に養殖したタブンネを放って狩りの練習をしているらしい、金持ちだな。
インタビューでは練習中に勢い余って殺してしまうことがよくあること、餌は死んだタブンネの肉を使っていることを話していた。
その後ろでは檻の中からたくさんのタブンネが目に涙を貯めてこちらを凝視していた。
PM9:00 ドキュメンタリーの後には大人気バラエティー「ドッキリタブンネちゃん」を鑑賞、
毎週たくさんのタブンネに対して何らかのドッキリを仕掛けるシンプルな番組だ。いつも歩いていた道が熱々の鉄板になっていて大事な肉球を焼かれてしまったり、
朝起きると周りのタブンネのしっぽが抜かれていて自分の尻尾だけが健在だったりするなど、毎度ドッキリを仕掛けられるタブンネの顔はほとほと間抜けだ。
一番面白かったのはママンネが寝ている間に、孵化直前のタマゴを偽物にすり替えるというドッキリ、翌日全く動かなくなったタマゴに慌てるママンネ、
「ミィ!?ミィ!?」と喚きながらオロオロするママンネにここでネタばらし、それは偽物だよ、本物はこっちと言われてほっとするママンネにゆでたまごが返却された。
この時大爆笑

PM11:00 寝る準備をしていると何やら外が騒がしいのでもしやと思い現場に直行、
すると思ったとおりタブンネの群がオボンの木目掛けて、庭に入ろうとしていた。
それを迎え撃とうと身構えするうちのポケモンたち、ここで出ていくと柵の向こうのタブンネたちに逃げられてしまうので
一旦敷地に入れてその後撃滅するよう教えているのだ。しかし今日はタブンネの数がいつにも増して多い、
もう夜だというのにここで大乱闘が起こっては近所迷惑だ。そこで最近手に入れた「強力タブジェット改」の使用を発令。
こいつは洒落にならない威力だから滅多に手に入らないし、所持するにも届けを出さなきゃならない代物だ。
うちのポケモンを後に下げた後、風上に立ってタブンネたち目掛けてタブジェットを噴射、すると先ほどまで「ミッミィ!!」と息巻いていたタブンネたちが
一瞬ピクリとしたあと動かなくなった。何という威力、最早ここまで行くと苦しむまでもなく瞬殺されるのだ。こうして十数匹いたタブンネの群は
わずか一吹きのタブジェットによって立ったまま絶命した。明日には鳥ポケモンたちに啄まれていることだろう。これで安心して眠れる。

                       タブンネのいる一日 終
最終更新:2014年10月22日 14:21