EVOKE -舞- ニシル編第1話

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ニシル「わわっ…// ……!!ありがとうございますっ…!(カガリが出ていったのを見て、決心付けたように表情の色が変わった)…よしっ!……あ、ごはん冷めちゃってる…。(ぽかーん…) 」

カガリ「(ニシルの頭に手を置き、軽く撫でる)情報収集は私に任せておけと言っていただろう。お前は『奴ら』に感づかれないよう慎重に行動しろ。やれやれ、標的は一人だというのに厄介者が増える増える…。とにかく明日に備えておけ。(リビングを出て自室へ戻っていく) 」

ニシル「…『アイツ』は今、何処かの組織の一員として暗躍しているようです。だから、その、一つお願がありますgふひゃ!?(頭に何かが乗っかる) 」

カガリ「…何だ。」

ニシル「……!あっ、カガリさん…それともう一つ…その方から聞いたことがあるんですが…。 」

カガリ「……(ふっと鼻で笑い席から立つ)さて、明日から忙(せわ)しくなりそうだな。 」

ニシル「――――――――「殺られる前に殺れ」――――――――― カガリさんの言葉、忘れてはいません。 」

カガリ「覚悟はできているんだろうな。相手が能力者であろうとなかろうと、"殺人者"であることに変わりはない。」

ニシル「カガリさん…!(表情が和らぐ) 」

カガリ「………(しばらく互いに睨み合いになるが「やれやれ」と言わんばりの溜息を吐きその緊張を解いた)…まあ、仮にそれが虚偽だとしても…どの道我々は『奴』を探さなければならない。前の街から得た情報と合致するのなら、詮索しない訳はないな。 」

ニシル「っ……!(鋭い眼光に圧倒されるが、すぐ我に返った)ち、違います…違うと…思います…。……確かに、信じ難い話ではありました… …だけど、あの人は本当に何かを知っていると思うんです!(目をそむけずカガリに言い寄る) 」

カガリ「…何処の道化か詐欺師か知らないが、お前はそんな不確かな情報を鵜呑みにするのか。(冷酷な目つきで睨みつけ) 」

ニシル「占い師の様な、予知能力者の様な、不思議な方でした。私の過去も、あの事件のことも、そして…『あの男』のことも知っているようでした。詳しい事は聞けなかったんですが…『アイツ』が、この街に潜んでいるらしいんです…! 」

カガリ「……。(「続けろ」と無言し) 」

ニシル「……挨拶へ行く途中、奇妙な人に出会いました…。(俯いたままカガリに) 」

カガリ「……。(ニシルの異変に気付いたのか目を細くし覗き込む) 」

ニシル「……!(あの時…!) 」


白服の青年〖キミはまだ、真相を知りやしなイ。その『男』が何者で、今は何処かのグループの一人として行動していることとカ…。〗


その時ふと、ニシルの脳裏に白服の青年の姿が横切った。


ニシル「……カガリさん―――――! 」

カガリ「だがこれを確定付ける証拠は曖昧、故に、あくまで憶測な考えに過ぎない…。……今、能力者の存在が公になる中…恐らく『あの男』も混ざって再び悪行を尽くしていることだろう。(ふぅと一息ついて茶を飲み干す) 」

ニシル「それができるとしたら…能力者、だけ…。(伏し目になりながら新聞を一瞥する) 」

カガリ「穴の数は銃声のそれに比例する。だとすれば近所の人間たちが気づくはずがない。当然犯人は銃弾を回収する時間など有るはずもなく、射殺した後すぐに家を放火しその場から逃走… …だがあの当時、短時間で多くの弾を回収することなど不可能に近い。それに、例え回収したのだとしても弾には血液が付着している…ならば逃走の際に血痕を残していくだろうと思うが、それらしきものもなかった。…これはもはや、並の人間にできる殺人ではない。 」

ニシル「(思い出したくもない悪夢のフラッシュバックにより重力が圧し掛かったかのように硬直しが歯を食いしばって堪えている)はぁ……はぁ…… …あの時、カガリさんは…そこから判断して……「能力者による他殺」…と踏み込んだんですよね…。 」

カガリ「(間を置き、重い言葉を言い放つ)…あの日、お前の両親は焼死体として発見されたが、それ以前に二人の遺体には無数の風穴が開いていた。その傷は一目で銃殺と判断できるだろう… …しかし、遺体を射抜いた銃弾は何処にも見つからなかった。こんなにも奇妙なことはない。 」

ニシル「――――――!!!(表情が一変する)…『あの男』と、この事件に…何か関係があるというのですか…!? 」

カガリ「恐らくは―――――――お前の『仇』と同一の存在ともいえる。」

ニシル「のう…能力者……ガタッ(突然寒気に覆われたかのように全身が震えだす) 」

カガリ「政府はその存在を『覚醒能力者』と呼称し、今はその名が世間で目立つようになってきている。そして奴らによる被害は…徐々に徐々に、こちらの街にも拡大しつつある。 」

ニシル「…人間を…超越……(息をのみ込む) 」

カガリ「記事の詳細を見て理解したと思うが…その事件はただの火事や放火ではない。"人間を超越した存在"が齎した一つの惨劇だ。 」

ニシル「……!!(記事を見て激しく驚愕する)カガリさん…これって…!? 」


≪天よりインドラの火矢 王国、火の海に沈む≫ (新聞の表紙にはその見出しと、無残にも燃え盛るある国の写真が飾られていた)


ニシル「…これは……(新聞の表紙に目をやる) 」

カガリ「そうか… …いやなに、お前が外にいる間…少し、世間が騒がしくなったようでな…。パサ…(食卓テーブルの真ん中に折りたたまれた新聞を置いた) 」

ニシル「……?いえ、何もありませんでしたが……どうかしたんですか?(きょとん) 」

カガリ「……ならいい。(茶を一口飲む)…帰りの道中で、何か遭ったか。(目つきを変えず淡々と話しを進める) 」

ニシル「ピク…(箸を止め、箸置きに静かに置いた)…聞かれました、ですが、誰にも教えていません。(カガリさん…本当に何でもお見通しなんだ…。) 」

カガリ「……。(しばらく間を開け、目つきを変えて問いかける)……ところで、「出身」は聞かれなかったか。 」

ニシル「も、もう…!やめてくださいよぉ…!!…ぅぅ……(赤面) 」

カガリ「…少なくとも、良い奴だったんだろう。帰ってきたときの顔を見れば一目瞭然だ。まあ無理もない、お前も年頃の乙女だしな。(急に真顔になったかと思えばずらずらとニシルをおちょくっている) 」

ニシル「ぅぅ~…(//× ×//)(またやられた…)」

カガリ「図星だな。 」

ニシル「わたっ…私そんなんじゃ……!?な、なっ…な、なんで、男の人なんですか…!?(わたわた) 」

カガリ「どうせさっき会ってきた恩人とやらの前でも中身が丸見えだったんじゃないのか。…んで、どんな「男」だった? 」

ニシル「うぅ……(ぐさりと突き刺さったのか引け目になる) 」

カガリ「…鎌掛けだ。(瞼を開き)…まったく、お前はすぐに顔に出る…。 」

ニシル「ドキリ!?(汗(読まれてる!?)うっ…けほけほ…!(麦茶の入ったコップに手を伸ばしごくりと飲む) 」

カガリ「…お前の食べるペースが遅すぎるだけだ。(目を瞑って唐突に) 」

ニシル「……(わぁー…相変わらず食べるの早い…)(カガリを見ながらゆっくりと箸を進める) 」

カガリ「ススー…(色取り取りの料理が並んだ食卓で一人、先に完食して茶をすすっている) 」



ニシル「はわわっ、すみません!(学校!?Σ(゜ロ゜ ) ) 」


家の中で走るな!(リビングからカガリの怒鳴り声)


ニシル「……!!(汗(わっ!…な、なんで…バレてたのかな……。)あ、はい…!(いそいそと靴を脱いでリビングに走った) 」

カガリ「(スリッパを履き直す)…いつまでもにやにやするな、飯にするぞ。(ニシルの顔をしばらく見つめて踵を返し奥のリビングへ行く) 」

ニシル「ふぇ…!?(え、ちゃんと時間までに戻ってきたのになんで…)(理不尽な出迎えに涙目) 」

カガリ「(手に持っていた片方のスリッパで少女の頭をぶった)……遅い。(ギロリ) 」

ニシル「(玄関の戸を開けて家に入る)ただいま帰りましtふぎゅ!?(帰宅早々何かに頭を軽くぶたれ目が☆になる) 」


~カガリ宅~


ニシル「気が付いたらもうこんなに暗くなってる… …でも時間(18時)にはまだ間に合うかも。(小走りで階段を下っていく) 」


カァー カァー (青く広がる夕暮れの空を二羽の烏が飛んでいく)


ニシル「……(みなさん、とっても優しかったな…。)(胸に手を当てて少しだけ嬉しそうに笑う) 」

ニシル「はぁ… ……「セルド」さん…か…。(何気なくその名を呟いて空を仰ぐ) 」

ニシル「うぅ……(恥ずかしそうに顔を赤らめながらとぼとぼ歩いている)……(お、お礼…ちゃんとできたかな…。…久しぶりに男の人と話をしたから緊張しちゃったけど… …失礼に思われてないかな……やっぱり私、どうしようもないな…。)(先程のセルドたちとの会話を思い出している) 」

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最終更新:2015年01月15日 23:16