EVOKE -舞- セルド編第4話 Ⅳ

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セルド「(この奏で…力が漲ってくる。…そういえば、街のレースをした時にもこんなことが…そうか、メモリアのおかげだったんだな―――。) ……――――…ッ!!(バキラの一撃はセルドの予想を遥かに超え、回避しようと体をずらすも頬を掠める)(……怯んでられない…ッ!)(一回転して遠心力を乗せた鉄パイプの一撃をバキラの横腹へ繰り出す) 」

魂魄妖夢「一丁上がり、正義は勝たずとも悪は滅びるものなのだ!(満足気に笑いメモリアに笑みを向ける) さて……(残るはあの親玉…この効力の下でも一目で『危険だ』と認識させる威圧感はまだまだ消えては居ない……必要とあらば加勢するところですが…) 」

ヒロ「…さて、行くか……大リーグボール!(土団子を作り、不良にかたっばしから投げる。手元から離れた瞬間、徐々に硬度が強くなっていく) 」

正志「――――――ッ!!(ヤベっ、しまった…!!)ぐはあぁ…ッ!! ドサァ…!!(妖夢の攻撃で宙を舞い、そのまま力なく地面に落下し倒れ込んだ) 」


『名を冠する者たち』がサビへと入り、セルド達に更に『攻め込む力』が強化され、反対に不良達は『押し切られる』という圧力がかかり、一気に守備する力を奪っていく。


ヒロ「……くっ…(起き上がり、血の混じった唾を吐き出す)…なんとか…出来上がったようだな 」

グリズリー「……!!(自身を飲む込むほどの影を見て土の塊に気づくが、その時にはもう土の塊の下敷きとなってしまう)…ぐぅ…ぬ… …オイ、もう駄目…(メモリアの能力の影響もあり、立ち上がろうとするが力が入らずそのままうつぶせに倒れこんでしまう) 」

真庭鳳凰「(くるんっと不良たちと離れたところに立ち)・・ん~む、この右腕・・・中々の質、筋肉も程よい。おお!この左足もよいなぁ!!(足元には切り裂いた体の一部達がごろりと) 」

バキラ「お前ら… ぬ…(捲き返された不良たちを見て唖然とする。またバキラ自身も、-the Melody-の効果により表情が歪む) 」

魂魄妖夢「音楽家さん…(眼を丸く瞳を小さくしてメモリアの方を向きふと笑みが溢れる)(身体が軽い…不思議だ、音の波長が骨身を揺らすだけでこんなにも……) …何故なら俺達は…なんでしょうか? アリゲーターだかなんだか存じませんが、町を行く人々のあの怯えた眼を見ればどんな狼藉を働いたかわかります。そんな輩共に…(鞘に納めたままの刀を居合いのように構え、正史に打ち込みにかかる)『悪党』以外の名など、必要ない! 」

メモリア「(そう、きっと・・・このアコーディオンであれば、何でもよかったんだ、このアコーディオンで、いろんな音楽を、奏でたかったんだ・・・!)・・・!!(指が舞い、鍵盤の上を踊り、鞴は音を紡いで行く) 」

正志「ぐッ…!?(メモリアの奏でるメロディーを聴いてふらつき始める)くそ…ッ… まさ、まさか… あいつも『能力者』だったのかよ……!?(額を抑えながらメモリアを睨みつけ) 」

不良共『って…おい、あの野郎(鳳凰)何処行きやがった!? な…なんだこの音楽は…ぁ…! くぁ…心なしか、なんかダルくなってきたような…。 テメェ兄貴の前で何を……ぐぁ…なんだ、力が…入いらねえ… ぐぎゃああああぁぁぁッ!!!!(メモリアの-the Melody-によって士気が極限に下がり、そして鳳凰の餌食となっていく)』

バキラ「好き勝手、か… 確かにその通り、俺達は自由のもとで動いている。(メリケンサックを嵌める)だが、お前らに俺達の何がわかるっていうんだ?この俺達が―――――何故 " 泣 く 子 も 黙 る ア リ ゲ ー タ ー " と呼ばれてんのか… お前たちにわかるのかあ゛ぁッ!!?(メリケンサックを嵌めた拳を振り上げ、セルドに一撃を見舞おうとする) 」

真庭鳳凰「(スルリと不良たちの上に現れ、近い順から、右腕→左腕→右足→左足、という順番でクナイで切り裂いていく) 」


メモリアの奏でる『名を冠する者たち』の勇ましいメロディーが、セルド達全員の士気を向上、・・・いや、『引き上げていく』、それに加え、勇ましいメロディーが気圧すように、不良達全員に凄まじい精神的圧力がかかり、士気を低下させていく・・・『-the Melody-』の効果が発動した。


正志「(木刀で空を切る)ヒャッハァッ…!!俺達に敵はいねえッ!何故なら俺達は……あ゛?(メモリアのアコーディオンを凝視し) 」

ヒロ「…ぐっ…!?(蹴り飛ばされ遠くまで飛んでいく…しかし、ヒロに蹴りが直撃したと同時に、岩並の硬さの土の塊がグリズリーめがけて落下する) 」

セルド「アンタ、そいつは―――…ッ…!!?(鳳凰が放つ威圧感に驚愕する) く、そッ!命知らずっていうか、命を捨てる覚悟で襲ってきて――ガゴンッ!!――――……(不良の1人に顎をバットで殴られ、数歩よろけて項垂れる。それからバキラの声が降りかかってくる)………好き勝手に暴れてるヤカラの、何がボスだよ。――――覚悟ならとっくにして来た。(ペッ、と血糊を吐き捨て、口元から血を流しバキラを睨むように見上げる) 」

グリズリー「うッ、おおおおぉぉぉッ!!!!(力を加えるのを止め、隙が生じたヒロを蹴り飛ばす) 」

魂魄妖夢「––––––っうァ…!?(咄嗟に刀を抜き防御するが予想を上回る力によって木の葉のように吹き飛ばされ建物に叩き付けられ受け身を取らされる)(抜刀…させられた…ッ!? ただ士気が上がるだけじゃないのか…!)やりますね…こちらも結構本気で…(音楽…さっきの人が…?) 」

不良共『オラッ、喰らえェッ!! 俺も一発ゥーッ!! 喰らえ喰らえ喰らえェッ!!!(全員鳳凰のいた位置で激しく得物を振り回しているが、それによって生じた砂塵で鳳凰の姿を見失っているようだ)』




メモリア「ぐうっ・・・!(正志の横一文字を姿勢を低くして回避する)音楽こそが、・・・私の・・・!(それはもう、アコーディオンの形をした、全ての楽器、この一つのアコーディオンより、様々な音色が飛び出す、それによって奏でられるは・・・) 」

ヒロ「……ちっ、なんてバカ力だ…(…これ完成させるまでは持ち堪えてやるよ…!)(力を加え返す) 」


不良たちが急襲し、数メートルに迫った直後、鳳凰の姿が一瞬にして消える。


グリズリー「ゆるざんッ!ゆるざんんんんッ!!!(更に力を加えていく。あまりに熱中しているためか、背後の土の塊には気づいていない模様) 」

不良共『んだテメェ!? かまうな、全員ボコれ!! ひゃっはぁぁーー!!!(一斉に真庭鳳凰に向かって飛びあがり、急襲する)』

バキラ「…ケッ…やりゃあできるじゃねえか…。(勢いをつけた不良たちを見て満足そうに鼻で笑う)さて…お前ら見かけない顔だな。観光にでも来たか?この街のボスに挨拶もせずよくもまあのこのこと… 挙句の果てには弟たちに手をあげやがった。覚悟できてんだろうなぁ、兄ちゃん。(セルドを見下す)……!(なんだこの音楽…?)(メモリアの奏でる不思議なメロディーを聴いて) 」

真庭鳳凰「・・・・"殺すな"了解した・・・・ただ・・・『五 体 満 足 で は か え さ ん ぞ ?』(突如ズルリとどす黒い液体のように雰囲気が変わる。その矛先は不良たちに) 」

不良共『うわっ!…チッ、銃がなんだ!サツ(警察)ともやりあったんだ、銃など恐れねえッ!!! オラオラオラァッ!!!(セルドたちの攻撃にびくともせず、次々と押し寄せて圧倒し始める)』

ヒロ「…うわ、すっげえバカ力……!…ぐうっ……!(力を入れて押し返そうとする)…(それと同時に、グリズリーの後ろに巨大な土の塊を作り上げる) 」


メモリアのアコーディオンから音が発され始める、・・・それは最早アコーディオンの音ではなく、様々な種類の音が、そのひとつの楽器から流れ出していた。


グリズリー「お前、よくもオイ、いじめた。オイ、お前、潰す…ッ!(バットに力を入れ、ヒロをそのまま圧倒しようとする。馬鹿力においてはバキラにも引けを取らない) 」

正志「いくぞぉらぁッ!! ブォンッ!(木刀を構え横一文字にメモリアと妖夢を薙ぎ払う) 」

メモリア「『これが私の全てです』!(アコーディオンに、指を振れて、音楽を奏で始める) 」

セルド「ビリビリィ……ッ!!(バキラの咆哮に全身が焼けるようにピリつく) 全員の士気が段違いになった…それだけのカリスマ性があるってことだろうな、絶対に油断できない…ッ……いや、"殺さない"。野放しにもできないが、それだけは絶対だ…っ(鉄パイプを構え、鳳凰に)(下手をすると、こっちがヤられかねないけどな…) ――――ッ!!(不良たちに応戦するが、先ほどのように上手く立ち回れず少々押され気味) 」

魂魄妖夢「スイッチ…楽器に新たなからくりが仕込んである…ですと!?してその心とは! 先程までボロ雑巾同然だったような烏合の衆が…!カリスマ、そう圧倒的ボスの器…これがあなたの持つ力、なのか!?(バキラを見据え汗が首を伝う) くっ––––––(襲いかかる不良に対し今まで通り素手で防御しようとするが…) 」


ガシャガシャッ!(ボタンを押すと、アコーディオンから音が鳴り、少々の変形が見られる)


ヒロ「…地面に、亀裂が……!?………(口元がニヤリとする)…おっと…!(金属バットを土刀で受け止める) 」

グリズリー「うおおおおォォォォォッ!!!!(バキラのボリュームに負けないくらいの雄叫びをあげ、金属バットを構えてヒロを薙ぎ払おうとする) 」

真庭鳳凰「(ほう、地面が・・・・!!すさまじいパワーだな)・・・のぅ、あの不良共はどうなのだ?生かすのか?殺すのか?(セルドに) 」

ヒロ「……でっけーのがきたなー……(土の猟銃を構え、不良共の足めがけて発砲)」

不良共『兄貴…! ああ、そうだ…俺達は…!! くそッ、よくも…俺達を…!調子に乗んなよぉッ!! (倒れて、満身創痍だった不良たちが次々と立ち上がる)兄貴に続けェッ!!!! うああああああァァァァァッ!!!!!(得物を手にし、再びセルドたちに襲いかかる。しかし今度は、先程までとは様子が一変しており、全員目つきが凛々しくなっているように見える)』

メモリア「そう、私にとっての『力』とは、音楽…それ以外には、何もない、だから…!(アコーディオンに、明らかに後から取り付けられたようなボタンを押す) 」

真庭鳳凰「・・・。(忍法命結び、にて・・・・あの体の一部をもらうも・・・悪くはないな・・・・?) 」

正志「兄貴…!……そうだ…俺達は…≪アリゲーター≫…ッ!!この街で俺達は最強なんだ!!幾度となく隣街の連中(不良)と小競り合いをしてきて、負けたことは一度だってねえんだ!!! 起きろテメェらァ!!兄貴の前で…かっこ悪いとこ見せてんじゃねえぇッ!!!! 」

×××→バキラ「(「 暴 鰐 」と背中に書かれた黒い特攻服を身につけており、もはやその様は他のヤンキ―たちとは格の違いが窺える)…なんて情けない様してやがるお前ら… みっともねえ… それでも男かあ゛あんッ!!? 吹き飛ばされても、殴られても、倒れても…!何度だって喰らいついてやれ!!俺達は…泣く子も黙る≪アリゲーター≫だぞッ!!!(拳を突き上げ、スピーカーを凌駕する様な轟く声で言い放つ)……てめぇ等…この落とし前はきっちりつけさせてもらう。俺達に刃向かったこと、そして弟どもをコケにしやがったこと…後悔させてやるぞてめえらあああああァァァァーーーッ!!!!! ズシャアァッ!!!(勢いよく地面を踏みつける。すると驚いたことに地面に亀裂が生じたのだった)」

魂魄妖夢「音楽が微々たる戦力…ですか。ならこの世には応援歌とかそんなものは必要ないことになりますね…。どうか悲観しないでください、武力だけが『力』ではないのですから(メモリア笑みを向け) で、 で  か い (兄貴を目の当たりにし三白眼)(いえ、でかいだけではないでしょう…。あの勝利を確信したというような雑魚の喝采。きっと、それ相応の何かを持っている) 」

セルド「アリゲーターの、頭―――…!!?(おいおい冗談だろ…いくらなんでも、でかすぎやしないか…!?)(×××を見て冷や汗を流し、唖然とする) 」

正志「……!!ははッ…やっと来てくれた…!!テメェらもう終わりだ!!これが、≪アリゲーター≫の二代目頭―――――『バキラ』の兄貴だ!!!!(勝機を孕んだ顔を見せる) 」

ヒロ「…でけぇな、ありゃあ…(猟銃を構えつつ×××を見る) 」

真庭鳳凰「ほう?親玉、か。 」

グリズリー「……!『兄貴』、来た…。(×××を見て呆然としている) 」

不良共『あ…あぁ…!! 『兄貴』だ…ついにきてくれやがったぜええェェ!!! 『兄貴』!『兄貴』!!(×××の登場に喝采が沸き起こる)』

魂魄妖夢「ふふ、チョロ甘いですねッ!(ドッヤァァ) ん…(けたたましい音、親玉でしょうか…いやそれとも…)ビシッ(背後の不良の腹に肘鉄) 」

×××「(バイクから降り、不良たちのもとへゆっくりとした足取りで移動する)ズシィィ―――――――ン…!(緑のリーゼントヘアーが特徴的で、大柄な体を持つグリズリー以上の巨漢が全員の前に姿を現した)フゥゥゥーー……(銜えていたタバコを離して煙を出し、そのまま足元に捨てた) 」

メモリア「あはは…どうやら、お見通しらしいですね。(苦笑いし、アコーディオンケースからアコーディオンを取り出す)…私の戦力なんて微々たるものだ、だから、せめて音楽で、皆さんを鼓舞する… 」

正志「チッ……!!(この音…まさか…!!)(エンジン音のした方へ振りかえる) 」

ヒロ「……ん…(バイクのエンジン音を耳にして)…「兄貴」のお出ましか…(浮きあげた土を猟銃へと変形させる) 」

セルド「ガゴッ!!(もう一方に鉄パイプを逆手に握っており、正志の木刀にあてがい両手で押し込めようとする)少々手荒だが、お相子だからなァ…ッ!! ―――――……!(バイクのエンジン音を耳にする) 」


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最終更新:2015年01月29日 09:57