巨人=卵細胞説

トロスト区攻防戦で、巨人化後に意識を失ったエレンが見た「幻覚の部屋」。

この幻覚の部屋は、エレンを閉じ込めておきたいという本物のミカサの願望。

巨人化したエレンがミカサを襲ったのは、ミカサがエレンを壁内に閉じ込めている張本人だから。

 

心理学で地下室は深層無意識の象徴。

人間の精神を2階建ての家に例えると、

2階が意識

1階が五感

地下室が無意識(末那識)

地下2階が集合的無意識(阿頼耶識)

 

ミカサ=カミサま=ウォール教の崇める神。この世界そのものを作った最初の女神

=「天の原 ふりさけ見れば 春日なる三笠の山に 出でしかも」(安倍仲麿

=ミカサは月に帰りたいが帰れない(そのまま死んだ?)

 

この世界はミカサの精神が作った世界で、外側には何もない。

ミカサは自らの分子間距離を広げることで、この世界全体を包んでいる。

壁は子宮であり、中心部は子宮口、ウォール・シーナのレイス家の地下室は子宮の内部であり、大地は卵子である。

この世界の全てのものは一種の卵細胞で出来ており、人の意志に反応してその願望を具現化するため、特定の条件が揃えば自分の望む世界を自在に作る事ができる。

要するに、神が自らを模して土から人間を作ったように、この世界では人類も含めてすべてが誰かの願望から創造されたイミテーションである。

 

先天的巨人化能力者は、自分に特殊な注射をし、母親を食べて母性mRNAを得た者。

巨人化能力は、卵細胞の卵割(らんかつ)を利用したもので、そのために必要なタンパク質を事前に体内で合成し蓄積しておく必要があり、それに先だってそのためのmRNAを合成しなければならない。

つまり十分な量のmRNAやタンパク質が体内で合成されるまで、巨人化はできないか、巨人化できても不完全な肉体にしかならない。

 

この世界はミカサの望む世界ではあるが、ミカサと心を通じたパートナーの影響が非常に強い。

このイミテーションばかりの世界で、そのパートナーだけが本物(オリジナル)である可能性が高い。

 

ミカサはこの世界を作ったが、自分とパートナーの記憶と体験ゆえに巨人が人間を食べる恐ろしい世界を生み出し、壁を作ってエレンを閉じ込めた。

ライナーたちはもう一度世界を再生し、こんな恐ろしい世界ではなく、以前の平和な世界に戻したい。

このまま何もしなければ、また同じ世界が再生されてしまう。

世界再生を止めるには、創造主とパートナーを殺すか、この世界から引き離さなければならない。

しかし、誰が創造主で、誰がそのパートナーかが分からない。

壁内人類を一人一人確認する事も、物理的に不可能である。

 

そこで、ライナーたちはとりあえず全人類の全滅作戦を進めつつ、同時に創造主とパートナーを探す両面作戦を取った。

全人類を全滅させれば、必ずその中に創造主とパートナーが含まれているので、結果的に世界再生を止める事ができる。

要するに、たった1~2人を確実に殺すために、全人類を丸ごと絶滅させようというのだ。

 

しかし、全人類を全滅させるには時間も手間もかかるし、その間に自分たちの正体がばれる危険も増える。

ましてや、人類にこの世界の秘密を知られると、その力を悪用され、自分たちが滅ぼされるかもしれない。

できれば創造主とパートナーを見つけ出し、自分たちの世界へ連れ帰りたい。

創造主とパートナーを説得できれば、ライナーたちの望む故郷を復活させる事も可能かもしれないからだ。

(すでにライナーたち側に創造主候補がいて、エレンを食べさせれば世界の創造能力を移動させる事が出来るのかもしれない)

 

したがって、ライナーたちの優先順位は、

①創造主とパートナーの奪取

②奪取が不可能の場合、創造主とパートナーの抹殺

となる。

 

ライナーたちは、まずウォール・マリア破壊に成功。

しかし、ウォール・ローゼを破壊する前に、ライナーたちは創造主とパ-トナーの候補者、あるいはその手掛かりを発見した。

エレンとヒストリア(クリスタ)である。

 

そこでライナーたちは、壁内をこんな残酷な世界にしてしまった創造主とパ-トナーを誘拐する作戦に出た。

10巻のラストで、ライナーはエレンに「わかるだろ?」と言っている。

まるで「エレンなら自分たちの言っている事が絶対わかる。エレンは真実を知っている」と確信しているように見える。

これは、こういう意味ではないだろうか。

「お前はこの世界を再生させるためのカギなんだから、お前がいなくなればこの世界は再生できくなる」

「つまり、この世界は現状維持になって当座の人類の危機は無くなる」

「俺たちもわざわざ人類を全滅させる必要が無くなるってわかるだろ?」

「なにしろ、この世界をこうしたのはお前自身なんだから」

 

 

 

 

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最終更新:2014年12月28日 23:45