“世界を廻る忘却の浮浪人”
弱冠18歳にして枢機院最高本部役員に就く天才少女。刻使いの一人でもあり、「天下の刻使い」と呼ばれている。
クールでミステリアスな雰囲気で、生真面目で隙がない。
仕事に対してもまじめで、抜刀術にも長けている。
いつも一人で行動しており、人を寄せ付けないオーラが出ている。(枢機院のメンバーは大体そんな感じ)
服が真っ白なのに対し、髪と目の漆黒さと名前から「黒い鷺」とも呼ばれている。
===ここから先ネタバレ注意===
彼も皇家や白玲同様、刻使いの一人である。
通称「天下の刻使い」。
刻使いの中でもトップクラスの強さで、そこから「天下」。
時間を止めることができるほかに、過去未来場所関係なく“自分の意志”で移動できる。
珠黯に比べ自分の意志で移動できるのが最大の長所である。
また応用として、「その世界とは違う時間軸に移動する(=パラレルへと移動できる)」ことができる。
ただしそのリスクも大きい。
あまりにも長く遠い時間(数十年~数百年数千年)やパラレルワールドへ移動すると、元いた世界での自分は忘れ去られてしまう(存在自体がなかったことになってしまう)。
言い換えれば、どの平行世界においても慈黒鷺はただ一人しかいないことになる。
そのため、皇珠黯が第一子出産後生きている世界へと変えた時も、誰一人として慈黒鷺を覚えていなかった。
例え誰かを助けたとしても、自分のことを覚えていてくれる人はいないのである。
しかし、唯一皇珠黯のみが覚えており(正確にはのちに刻使いの能力により知った)、その際初めて涙を流した。
慈黒鷺の本名は「慈雲寺 黒鷺(じうんじ くろろ)」であり、生粋の日本人である。
日本人のときにある事件がきっかけで、白髪の幼女により刻使いになる。
初めて別の世界に飛んだ際、家族さえも自分のことを覚えておらずショックを受ける。
2番目の世界で病に伏せる恋人ができ、恋人のために世界を変えるも恋人はやはり自分のことを覚えていなかった。
「いっそ見知らぬ土地で見知らぬ人間の役に立ちたい。誰かを救いたい。」と願い能力を使ったところ、珠黯の国へとたどり着いた。
ちなみに、言葉は普通に使え、容姿や設定()もその時々で変わるようである。
そのため名前も刻鸞独特の苗字一字名前音読みになった。
「……慈黒鷺だ。よろしく頼む」
「負け犬の遠吠えか、男のくせに恥ずかしい限りだな」
「次の世界でも、どうか私のことを覚えていてくれ。せめて、お節介な女とだけでも……」