このページは、ドクターヘリレジストリに関するQ&Aを随時掲載しています。 (2015年12月14日午前11時15分更新)
【用語定義】
12月11日のドクターヘリレジストリ会議で、出動区分(キャンセルの取り扱い)について以下の通り決定しました。
★離陸前キャンセル(要請撤回)
→出動要請があり、出動を受諾した後に要請撤回があった場合。
→出動要請があったが、何らかの理由で受諾できなかった場合は登録対象外です。
(例:ドクターヘリ出動中で、代替として防災ヘリが出動した場合など。)
【他院へ搬送した症例の入力方法について】
【STEP1】
他院搬送により入力不可能となる必須入力設問はありません。
【STEP2】
☆原則として、他院から取得できない情報については「不明」「記録不備」等を選択します。
☆他院搬送では「一時保存」のまま、「仮登録」は行わずにデータを保存します。
(救急隊接触時情報)
(ヘリ医師接触時情報)
他院搬送により入力不可能となる必須入力設問はありません。
(病院収容時情報)
1「受け入れ病院収容時刻」は必須入力です。
2「病院収容時JCS」~6「病院収容時血圧」は「不明」や「空白」として対応。
7「外来転帰」~11「備考」は未入力のままとする。(データの「一時保存」が可能です。)
(外傷)
1「受傷日時」~4「鋭的・鈍的・熱傷」は入力必須です。
5「AIS」は「AIS決定不能」にチェック。
(ACS)
3「救急隊到着後の初回心電図」:
「CPAではない」のその他で「他院搬送」「不明」
「CPA」で記録不備・判断困難
のいずれかを入力。
(脳血管障害_脳梗塞)
(脳血管障害_脳内出血)
(脳血管障害_くも膜下出血)
他院搬送により入力不可能となる必須入力設問はありません。
(その他の内因)
(その他の外因)
→は未入力のままとする。(データの「一時保存」が可能です。)
(ドクターヘリ登録 入力状況)
他院搬送例では、一部の必須項目(青色)が未入力となりますので、「仮登録」はできません。
他院搬送例では、すべて「一時保存」とし、これを最終的な登録状態としてください。
【UMIN登録関連】
ドクターヘリ・レジストリの入力に必要なUMIN関連の事項は以下の3つです:
1.UMINアカウント(個人あたり一つのID。すべてのUMINサービスで共用)
2.UMINパスワード(登録事項等の変更に用いる汎用パスワード)
3.INDICE用パスワード(ドクターヘリレジストリに用いる臨床登録用パスワード)
実際の入力に際しては、1と3を用います。2は、登録情報の変更などの際に必要となります。
1と2については、各施設(各個人)で申請・更新いただくものです。申請等の具体的な手順につきましては、2015年3月16日にメールにてお送りした書類一式の中にある「UMINアカウントの一括登録をお願いします」というWordファイルに記載しております。
3につきましては、各施設で全員分の申請を取りまとめ、レジストリ事務局へメールでお送りいただきます。申請書は、2015年3月16日にメールにてお送りした書類一式の中にある「UMIN-INDICE一括登録フォーム(基地病院ごとにレジストリ事務局へ提出)」というExcelファイルです。(パスワードがかかっておりますが、パスワードは「UMINアカウントの一括登録をお願いします」に記載しております。)
施設の全員分をまとめて、ひとつのExcelファイルとなります。
いえ、不要です。
基地病院に勤務されている医療従事者、研究に関わる症例登録者の方(事務方を含む。)であれば登録いただけます。
レジストリ登録の責任者の先生のみならず、研修医の先生や看護師、事務スタッフなど、入力の可能性がある方を幅広くご登録ください。(登録だけして入力しない方が出ても差し支えございません。)
各個人にご登録いただく項目は上記の1~3となります。
UMINには、ひとつの施設で何名でも登録いただけます。
場合により異なります。
保持されているUMINのアカウントについて、INDICEのパスワードをお持ちであれば、今回、INDICE用パスワードを申請いただく必要はございません。
例えば、日本外科学会のNCDはUMIN INDICEを利用した登録システムですので、NCDに登録経験がある場合は、INDICEのパスワードをお持ちということになり、今回の申請は不要です(パスワードを失念した場合は、先生にて再発行をご申請ください)。
一方、UMINのアカウントを持っているが、INDICE用のパスワードをお持ちでない場合は、今回の一括申請でご申請いただく必要がございます。
ひとつの症例を複数の方で入力いただいても差し支えございません。その場合は、その都度、各人のUMINアカウントでログインして、登録情報を補完してください。
アカウントは複数名での使い回しが禁止になっておりますので、複数名がひとつのUMINアカウントを利用することは避けてください。特に、後日、入力ミス等の問い合わせを行うために、誰が入力したかの情報が必要です。
いえ、UMIN IDについては、各施設でご申請いただくことになっております。
Excelには、各施設で取得したIDをご記載いただき、申請書としてご提出いただく段取りです。
ご説明に不十分な面があったことをお詫びいたします。
くわしくは、このQ&Aの冒頭の回答をご参照ください。
施設IDは、事務局で割り振って、事務局からUMINへ登録いたします。
おそらく、4月上旬になるかと存じます。
なお、実際の登録に際しては、事務局が割り振った施設IDが自動的に表示・入力されるため、各施設の入力者が把握して入力する必要はございません。
【倫理委員会関連】
本件は多施設共同研究となりますので、研究代表施設(日本航空医療学会に法人格がないため、研究代表施設は便宜的に東海大学に設定されています。)の倫理審査をもとに、各施設で「迅速審査」にて審査をお願いすることとなっております。
「迅速審査」の様式は施設により異なりますが、通常の倫理委員会への提出とは異なり、倫理審査の書類一式を「委員長が指名する倫理審査委員」(院長や倫理審査委員長などが多いです。)1名へ書類を提出し、その方の承諾により、倫理委員会の承諾と見なすものです。
(『臨床研究に関する倫理指針』 3 臨床研究機関の長の責務等>第3 倫理審査委員会>(9)②)
倫理審査の手続きは各施設で異なりますので、ご不明の点につきましては、上記の説明(多施設共同研究の迅速審査)について、施設の倫理委員会担当部署へお尋ねください。
倫理審査の申請書類については、それぞれの施設の倫理委員会により様式が異なります。お手数ですが、施設の倫理審査担当部署へお尋ねください。
倫理委員会で承認された内容を把握するため、申請書と承認通知書の写しをお送りいただければ幸いでございます。スキャンしてPDFを電子メールでお送りいただいても構いません。
研究計画書では研究責任者は日本航空医療学会理事長と明記されております。
また、研究代表者については、東海大学が研究代表施設として諸手続きを行っているため、研究代表者は東海大学の猪口教授となります。(日本航空医療学会に法人格がないため、研究代表施設は便宜的に東海大学に設定されています。)
目標症例数は全体で20,000症例です。
【外傷症例の登録関連】
入力負担の軽減のため、ドクターヘリ・レジストリとJTDBで共通する項目については、入力を省略できる仕様となっています。つまり、この共通項目については、JTDBのみに入力してドクターヘリ・レジストリには入力いたしません(ただし、外傷症例のうち、JTDBに登録した症例に限ります)。
共通ではない登録項目については、JTDBに入力した症例についても、ドクターヘリ・レジストリへ入力いただく必要があります。
実際には、ドクターヘリ・レジストリの登録画面で、「JTDBに登録した症例ですか?」との質問があり、「はい」と答えた場合に入力不要となる項目が画面上に明示されています。
JTDBはAIS
が3以上の外傷をもつ患者が登録対象となっておりますので、AISが3未満の外傷症例につきましては、JTDB参加施設であっても、ドクターヘリ・レジストリにすべての項目を入力いただく必要があります。
また、JTDBに参加していない施設やJTDBに参加しているが十分に登録が行えていない施設につきましては、外傷症例につきましてもすべての項目を入力いただく必要があります。
後に、データを連結するためです。
入力負担の軽減のため、ドクターヘリ・レジストリとJTDBで重なりのある項目については、ドクターヘリ・レジストリには入力不要となっています。(詳細は上の質問をご参照ください。)
ただし、後日、両者のデータを連結するために共通の患者IDが必要です。ドクターヘリ・レジストリとJTDBとで別々のIDを用いると、連結が不可能となり、入力をやり直していただく必要が出てきてしまいます。
JTDBの入力に用いられている患者IDは、院内の患者番号とは異なる、JTDB専用のIDとなっております。ドクターヘリ・レジストリとJTDBで同じ症例(患者)につきましては、同じIDをご入力ください。
JTDBに参加していない施設やJTDBに参加しているが十分に登録が行えていない施設につきましては、JTDBとの共用IDを作成する必要はありません(ドクターヘリ・レジストリ独自の患者IDを作成いただきます)。
【レジストリの登録項目(入力)関連】
ヘリ搬送はすべての症例(出動)が対象となります。また、救急隊による地上搬送も基本的には全症例が対象となっています。
ただし、救急隊搬送については、「夜間」「軽症」などの除外基準があり、搬送のかなりの割合が入力対象から外れることになると想定しています。
ドクターカーは登録対象外となっています。
はい、基地病院へ地上搬送された症例が対象となります。
地上搬送は膨大な数となりますが、軽症例や夜間搬送例などの除外基準例は登録の対象外となりますので、実際の登録数は減るものと考えております。
[2015.3.30追記]
効果検証の救急車搬送群でどういう症例を登録するかについては、研究計画書の「5.研究対象者」を合わせて読んでいただくのが分かりやすいかと思います。
地上搬送については、基地病院へ搬送されたかどうかが算入の基準となっており、どこから搬送されたかは問いません。
本来は、県内のすべての病院へ地上搬送された症例が比較対象として望ましいのですが、現実的に難しいため、基地病院への地上搬送をその地域の代表(対照群)として考えております。
ドクターヘリにより患者が搬送されたか否かという意味になります。
つまり、ドクターヘリが出動したが何らかの理由で患者の搬送を行わなかった場合は「患者搬送せず」となります。
ドクターヘリの運用は地域により多様性があるため、レジストリでは、その多様性を集計したいとの考えがございます。本設問は、その一環としてお尋ねするものです。
・当院から→ヘリ→当院
・当院から→へり→他院へ
・当院から→ヘリ→救急車で他院へ
上記の場合はどちらに該当するのでしょうか?
・当院から→ヘリ→当院
搬送実施です。
・当院から→ヘリ→他院
患者を搬送しておりますので、搬送実施となります。
・当院から→ヘリ→救急車で他院へ
患者搬送せず、になります。
ご指摘のケースは、医療スタッフがヘリで現場へ向かい、現場で処置した後、患者自身は救急車搬送、という場合と思われます。患者搬送の有無は、「ドクターが同乗した状態で患者をヘリ搬送したかどうか」が判別点になります。つまり、ドクターが同乗しなければドクターヘリになりませんし、医師がヘリで現場へ急行したとしても患者をヘリに乗せなければ不搬送、ということになります。
[2015.4.2訂正]
地上搬送については、これらの選択項目(除外基準)が入力された場合は、「症例登録(ヘリ・地上搬送共用)」までの入力で登録終了です(条件によっては、登録そのものが行われない場合があります)。
ヘリ搬送についても、「症例登録(ヘリ・地上搬送共用)」までの入力で登録終了です。
つまり、共通項目や疾患別の入力項目へ進むことはありません。実際の入力画面では、入力項目が自動判定され、入力不要な部分へは進めない形となります。
ドクターヘリ搬送と地上搬送とで入力必要部分は変わります。
以下、3/16にお送りしたExcelに沿ってご説明いたします。
レジストリの冒頭は「症例登録(ヘリ・地上搬送共用)」から始まり、搬送形態により、「共通測定項目(ヘリ)」または「共通測定項目(地上搬送)」へ進みます。
「症例登録(ヘリ・地上搬送共用)」は、出動の事実と態様を記録することが目的です。
そのため、ドクターヘリについては、あらゆる出動(出動要請)が入力の対象となります。
一方、地上搬送については、ドクターヘリとの予後比較が目的ですので、ヘリ搬送群と比較不能な症例(=規定の除外基準に当てはまる症例)については、この部分についても入力いただく必要はありません。
(登録ができないようシステムで弾くようにしています。)
「共通測定項目(ヘリ)(地上搬送)」は、患者搬送の詳細と患者の状態・予後を記録することが目的です。
そのため、ドクターヘリ・地上搬送ともに、この項目へ進むためには、患者搬送が行われた症例である必要があります。
他病院への搬送も全ての症例が登録対象です。ただし、他院搬送の場合は、搬送事実に関する数問の入力のみとなり、自院への搬送に比べ、入力項目が少なくなります。
協力が得られない場合は空白でお願いいたします。(入力が必須の項目については、「協力を得られず」や「-999」などの臨床的にありえない数値をご入力ください。)
協力が得られない場合は空白でお願いいたします。(入力が必須の項目については、「協力を得られず」や「-999」などの臨床的にありえない数値をご入力ください。)
文字数の制限は特にありません。
ドクターヘリが出動して、ドクターヘリと、防災ヘリ・県警ヘリ・海上保安庁ヘリとが連携をした場合についてはドクターヘリレジストリーの対象です。
ドクターヘリが出動せず、その他の機関ヘリで基地病院に搬送した場合はレジストリー対象にはなりません。
すなわち今回の登録対象は、あくまでドクターヘリが出動した場合(正確には出動の要請があった場合)のみとなります。
(なお、ドクターヘリ出動の要請があれば、出動がキャンセルになった場合でも、ドクターヘリレジストリーの対象となります。)
はい、基地病院へ地上搬送された症例が対象となります。
どこの部分が「出勤」になっているか分かりませんが、「出動」です。
おそらく【現場救急】という言葉が引っかかっているものと思います。我々は現場のすぐ近くに臨時離着陸場を設定する場合は【現場直近】、あらかじめて指定された臨時離着陸場に着陸する場合は【ランブーポイント】として区別しています。
「現場救急」=救急現場に直接着陸するもの、「ヘリポート」=現場直近の臨時ヘリポートに着陸するもの,
でおおまかよさそうですが、「現場救急」=現場のすぐ近くに臨時離着陸場を設定する場合、「ヘリポート」=あらかじめて指定された臨時離着陸場に着陸する場合(いわゆるランブーポイント)とした方が一般的かもしれません。
以下のことが考えられます。
1.患者接触後、救急隊のみで近隣の病院へ搬送われわれはいわゆる I ターンにしています。
2.患者接触後、医師同乗のうえ、救急車で近隣の病院へ搬送いわゆるJターンにしています。
3.患者接触後、救急隊のみで基地病院へ搬送これは当地域ではありませんが、医師の手を患者からひくという意味で1と一緒です。
4.患者接触後、医師同乗のうえ、基地病院へ搬送いわゆるUターンにしています。
日没で時間が迫っていたためにヘリだけ帰投した場合も上記のどれかにあたります。
着陸後、何らかの理由で臨時離着陸場に患者が来なかった場合はキャンセルです。
3,4は近距離の場合、ヘリに移動する時間を短縮するために、接触後、すぐに救急車で現場離脱した方が早い場合に適応しています。このように1~4までを区別しないなら、病院までヘリ搬送しない場合と定義できますが、1~2と3~4を区別しなくて良いかどうかはわかりません。
未出勤にチェックをつけ、詳細を入力してください
今までのドクターヘリ活動報告書には未出動として
時間外要請
天候不良
重複要請
出動前キャンセル
その他
として統計をとっています。選択できるように項目を作れないでしょうか?
エクセル(入力項目)でお送りしてある、A-1, B-2, A-3, A-3, 共通項目(ヘリ)B-1 、B-7, B-8,
B-9,B-10a-e,B-11-B-55c, B-67,
この後B-67~B-85 は搬送先病院から回答をお願いしていただき、そのうえで記載していただきたい事項となります。
はい、「症例登録(ヘリ・地上搬送共用)」までは入力となります。
本レジストリは「出動・搬送統計」と「効果検証」の2つの側面をもっています。
前者の観点から、何らかの出動要請があったものについては登録をお願いしています。
はい、入力をお願いします。
理論的には不要ですが、「出動・搬送統計」は特に正確性を求められるため、誤回答のダブルチェック目的で入力をお願いしています。
(例えば、離陸後キャンセルなのに患者搬送があると回答する例が多い施設では、言葉の定義についての何らかの行き違いが生じている可能性があり、事務局より確認したいと思います。)
また、入力画面のレイアウト上、細かい場合分けを避けたいという考えもございます。
【レジストリの登録システム関連】
運用画面のバージョン1は完成しましたが、修正が必要な部分があり、バージョン2を依頼する予定です。申し訳ございませんが、バージョン2への修正が終わり次第の公開となります。
はい、可能です。
テスト登録を行うための画面を準備いたします。
自施設のデータは制限なく引き出すことができます。
ただし、引き出し手続きのため、一定の準備期間をいただきます。
【その他のご質問】
救急隊に対し、「こういう項目を収集しますので、記録をよろしくお願いします。」と依頼するための項目、という意味です。一部の項目については、救急隊は集めていないと思いますので、新たに収集を依頼することになります。
救急隊に提供を依頼する項目を一覧にまとめたリストを近日中にお配りする予定です。
本レジストリは厚生労働省の後押しを受けておりますが、現時点では、公的な研究費はいただいておりません。日本航空医療学会の自己資金になります。
診療情報管理士は、病名のコーディングや部分的にはレセプト請求事務を行う民間資格であり、一定規模以上の病院にはほぼ在籍しています。
外傷を例に挙げますと、AISのコーディングには、大きく分けて、バージョン90とバージョン98の二種類があり、ドクターヘリ・レジストリではAIS
98を用いていただくことを予定しております。一般的に、バージョン98はコーディングの専門知識を要するため、診療情報管理士の知識がないとコーディングが難しいと思われます。
各施設には、事務のスタッフに診療情報管理士の資格保持者がいることが多いため、管理士の有無につきまして、事務方にお尋ねいただければ幸いです。