HDDのデータ削除

このページでは、HDDのデータ削除について簡単に説明します。

データの削除方法には、大きくわけて物理フォーマット論理フォーマットがあります。

両者の違いは、検索すればすぐに分かるでしょう。

後者の論理フォーマットでは、「ファイルはこの位置にある」という目印を削除し、擬似的にファイルを見つからなくさせただけなので、実際にはファイルは削除されておらず、簡単に復元されてしまいます。

WindowsやLinuxなどで、メディアをフォーマットした場合は、ほとんどこの方法が用いられています。

そこで、物理フォーマットをしなければいけないわけですが、ここにもいくつか注意点があります。

まず、OSレベルからデータを物理的に削除しても、当然OSが書き込まれている領域は消されないので、そこには見られたくない情報のキャッシュや断片が残ってしまいます。

また、BIOSを介することで、万が一BIOSが「ここは消さないでくれ」という区画を指定していれば、一見削除は正常に終了したように見えて、実はデータが残っているなんてことも起こり得ます。

理想は、SATAケーブルなどで直接、HDDと削除専用の機器をつなぐことが好ましいですが、費用や機器の調達の面から見て、一般人には現実的ではありません。

さらに、国家機関(警察やFBIなどの捜査機関含む)や企業の中には、HDDに残った残留磁気の解析という手段を持っているところもあり、一回物理的に上書きしただけでは不完全な場合もあります。(もっとも、今日の集密度の高いHDDでは、残留磁気の解析は難しいと主張する人もいますが。)

残留磁気から元のデータを解析されにくくするために、何度も乱数などで上書きすることが必要です。

そこで、ここではDBANというソフトを使い、HDDのデータを削除します。

こちらのページから、DBANをインストールし、CD-Rなどに焼いてブートしてください。(焼き方はここでは解説しません、調べればすぐ分かることでしょう。)

使い方などはこのページを見てください。

ベリファイチェックは最後に1回、試行回数も1回で十分でしょう。

重要なのは消去方式です。強力になればなるほど、相応に時間も要します。

グートマン方式(35回、固定値と乱数を書き込む)が一番強力ですが、かなりの時間が掛かるので、米国国防総省の定めたDoD 5220-22.M方式(7回、固定値、乱数とその補数を書き込む)をおすすめします。

これで、万が一HDDを押収された場合でも、あなたのデータは守られるでしょう。

しかしこれはあくまでも、データを解析され「にくく」するための手段です。

HDDの暗号化や、そもそも重要なデータは書き込まないなど、他の手段と組み合わせることが重要です。

国家機関や企業を相手にする場合、これで完璧といった対策は存在しません。

細心の注意を払ってください。

最終更新:2014年10月05日 18:36