逆さカタカナ文字の謎

◎単行本表紙裏の逆さカタカナ文字

単行本の表紙をはずすと、本の表紙に中世ヨーロッパ風の絵と、謎の文字が書かれています。
実はこの文字は、基本的に日本語のカタカナを逆さに書いたもので、本を逆さにすると読む事ができます。
ここではその内容やこの絵や文字が書かれた背景を考察してみます。

 

◎逆さカタカナ文字(ただし判読しにくい部分もあるため一部間違っている可能性もある)

キョジンノアットウテキナセンリョクニナススベモ ナクジンルイハシンテンチ
ヘノコウカヲヨギナクサレタ

コノトキジンルイノホトンドガシメツシタガソノタイハンハヒトドウシノテニヨルモノデアッタ

キョジンノシュツゲンニヨリスミカヲウシナイニゲマドウヒトビト

フネニノレタノハゴクショウスウノケンリョクシャノミデアッタ

コウカイハナンコウヲキワメヤクハンスウガモクテキチニトウタツスルコトナクショウソクヲタッタ

シンタイリクココヲワレワレハシンセイナルモノトシテアガメル

シンテンチニハモトモトチョウダイナカベガヨウイサレタ

コノカベノナカニハジンルイノリソウガアルコノカベノナカニエイキュウニアラソイノナイセカイヲツクロウ

 

◎漢字仮名交じり文

巨人の圧倒的な戦力に為す術(すべ)も無く、人類は新天地への航海を余儀なくされた

この時、人類のほとんどが死滅したが、その大半は人同士の手によるものであった

巨人の出現により、住処(すみか)を失い逃げ惑う人々

船に乗れたのはごく少数の権力者のみであった

航海は難航を極め約半数が目的地に到達することなく消息を絶った

新大陸、ここを我々は神聖なるものとして崇める

新天地にはもともと長大な壁が用意された

この壁の中には人類の理想がある、この壁の中に永久に争いの無い世界を作ろう

 

◎文章の分析

まず、片仮名表記であるため「同音異義語を利用したトリック」がある可能性がある点を考慮しておく必要があります。

たとえば「チョウダイナカベ」は強大な壁ではなく「兄弟の壁(キョウダイノカベ)」である、などのトリックです。

「姉弟」でもキョウダイと読みますね。

 

「巨人の圧倒的な戦力に為す術(すべ)も無く、人類は新天地への航海を余儀なくされた」

まず「戦力」と書かれているのが気になります。

この文章を書いた人物は人類がもともと巨人と戦争をしていたか、巨人を組織的な軍事力や侵略者だと考えていたのでしょうか。

 

「この時、人類のほとんどが死滅したが、その大半は人同士の手によるものであった」

「人類」「人」を分けて書いているのが気になります。この点は非常に重要です。

この作品で言う「人」とは、「人類」と同じ存在なのか、それとも「人類のうちの一種類にすぎない」のでしょうか?

「人類のほとんどが死滅」「そのうちの大半が人同士の手による」と書かれていますが、分かりやすくするために仮に「人類のほとんど」を60%、「その大半」を60%としてみましょう。

人類の60%が死滅し、その死滅した60%の人類のうちの更に60%が人同士の手で死滅した人類です。

0.6×0.6=0.36ですから、人同士の手で死滅した人類は人類全体の36%という事になります。(あくまで仮の数字です)

では、残りの「人同士の手によらずに死滅した24%」の死因は巨人に食われたという事でしょうか?

また、人類の「死滅しなかった40%」は、全員「新天地への航海」に出航したのでしょうか?

そして「人同士の手」で死滅したという文章は、新天地への航海に出発する際に脱出の権利を争って人同士が殺し合ったという意味でしょうか。

だとすると、巨人の圧倒的な攻撃を受けながら、同時に人同士でも殺し合っていた事になります。

これはちょっと厳しいのではないでしょうか。

しかし、巨人=人なら理屈が通ります。

例えばある国家が巨人を使って他国を侵略した場合、人と巨人(兵器)が戦っていても、人同士が戦っている事になります。

「言葉としては間違っていないが、真実ではない」というレトリックである可能性もありそうです。

 

「巨人の出現により、住処(すみか)を失い逃げ惑う人々」

「住処」という言葉は、新天地と対比されていると思われます。

すなわち、単なる住居ではなく、「人々」が住んでいた土地、大陸、あるいは星を指すのではないでしょうか。

 

「船に乗れたのはごく少数の権力者のみであった」

人類のほとんどは人同士の手で死滅し、ごく少数の権力者しか船に乗れなかったわけです。

という事は、壁内人類は「ごく少数の権力者」の子孫だという事になります。

それにしては壁内人類の数が多すぎるのではないでしょうか?

 

「航海は難航を極め約半数が目的地に到達することなく消息を絶った」

航海の途中で「ごく少数の権力者」の約半数が「消息を絶った」と書かれています。

死んだのではなく、「消息を絶った」という点が非常に重要です。

「約半数」と書かれているという事は、新天地に向かった船は正確な数を把握しにくい程の数だったと考えられます。

これが12巻でベルトルトが口にした謎のセリフ、「頼む…誰か…お願いだ……誰か僕らを見つけてくれ…」の真相ではないでしょうか。

つまり、ライナーやベルトルト、ユミルに食われたマルセルたちは、この時消息を絶った行方不明船に乗っていたのではないかという事です。

そして、12巻ラストの描き下ろし部分におけるユミルの「お前たちの境遇を知ってるのは私だけだしな… 私も同じだよ 自分じゃどうにもならなかった」というセリフには、漂流者としてのライナーたちの境遇も含まれているのではないでしょうか。

 

「新大陸、ここを我々は神聖なるものとして崇める」

新天地ではなく、「新大陸」という言葉に変わっているのが気になります。

また「我々」と書いてあることから、一人ではなく集団である事が分かります。

そして唐突に「神聖」「崇める」という言葉が出てきますので、この人々は宗教や理想主義を信奉する集団のようです。

しかし、作中では宗教は最近流行し始めたと説明されていますので、この点も謎です。

以上を考えると、この文章を書いた人々は「消息を絶った」船の一つに乗っていた人々なのではないでしょうか。

また、新大陸とは新天地とは別の場所なのでしょうか。

それとも新天地にある新大陸という意味なのでしょうか。

だとすると、新天地は大陸よりも広い場所を指す事になります。

 

「新天地にはもともと長大な壁が用意された」

新大陸ではなく、新天地に壁が用意されていたと書かれています。

また、「存在した」や「作られていた」ではなく、「用意された」と書かれているのも気になります。

壁は移住を前提に用意されたのでしょうか?

 

「この壁の中には人類の理想がある、この壁の中に永久に争いの無い世界を作ろう」

「人類の理想=永久に争いの無い世界」なのか、それとも「人類の理想があるから、永久に争いの無い世界を実現できる」のか、判断の難しいところです。

「人類の理想=永久に争いの無い世界」なら、その後でわざわざ「作ろう」とは書かないのではないしょうか。

つまり、この文章を書いた人物は「人類の理想がある壁の中」を見て、これなら「永久に争いの無い世界を作れる!」と考えたのではないかと考えられます。

ということは、その人物は最初は壁を知らなかったが、壁を見た後で「ここなら自分の理想を実現できる。神聖な場所だから崇めよう」と考えたのではないでしょうか。

 

 

◎なぜカタカナなのか?

今のところ、これは単に作者が別世界の文字を考える時に、お遊びでカタカナを使っただけだという考えが主流のようです。

しかし、この原作チームはあまり意味のない描写はせず、設定を忠実に守り、ヒントを明示する傾向が強い。

そう考えると、実はカタカナが謎の文字の元になっている事自体が、この世界の謎を解く手がかりである可能性が出てきます。

つまり、壁内人類とこの世界の謎には日本が関わっているという事です。

たとえば、巨人やユミルは日本の研究所で開発され、そこでユミルはカタカナを教わり、それを変形させて自分たち独自の文字として使用したとすれば、カタカナである必然性は説明できます。

 

 

◎すべて捏造か?

この文章はすべて捏造だという可能性も残っています。

この文章には、アメリカや中華人民共和国、韓国、北朝鮮のような「実は自分たちが侵略者なので、その事実を隠ぺいするために歴史を捏造して相手を徹底的に悪者にする」情報工作と同じ雰囲気を感じます。

たとえば、現在ではいわゆる従軍慰安婦問題や南京大虐殺、吉田調書で福島第一原発で東電職員が逃げたという報道が、すべて捏造または誤報だったことが判明しています。

つまり、この文書を描いた人間は、壁の中に元々いた住民を侵略し、壁を乗っ取ったのではないでしょうか。

私は、この文書を描いた人間がグリシャか、あるいはレイス王家では無いかと疑っています。

 

 

 

 

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最終更新:2021年02月28日 02:10