ユミル

※ネタバレや考察自体がお好きでない方は絶対に閲覧しないようお願いいたします。

※以下の内容を読んだ場合、今後作品を楽しむ喜びを損なう危険があります。閲覧は自己責任でお願いいたします。

※作中の描写だけでなく、作り手の意図や傾向、自分ならどうするかなど推測も交えて考察しております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クリスタ・レンズ(ヒストリア・レイス)に異常に執着する女性。黒髪にソバカスで長身。

性格はガサツで遠慮がなく、ぶっきらぼうで皮肉屋で自分勝手。

その反面、ヒストリアやサシャへの態度、雪山訓練での救助、ウトガルド城で故郷を失ったコニーをジョークで誤魔化すなど、心底には優しさが垣間見える。

その正体はヒストリア・レイス本人ではないかと思われる。

ユミルはかつて、レイス家またはイェーガー家の巨人の力を使い、この世界のすべて(壁やその内側に住む人、人類など)を再生したが、その時にもう二度と人の言いなりにはなりたくないと思い、今度は自分のためだけに生きたいと願ったため、「自分の思う通りに自由に生きる自分」としてユミルを生みだしてしまった。(ユミルのモデルとなるような人物がいたのかもしれない)

 

いわば先代のヒストリアであり、この後ヒストリアのたどる運命を知っている。

それどころか、巨人の力と同時に壁創世の記憶も受け継いでいるため、この世界の秘密(の一端)も知っている。

前の世界の最後を知っているため、この世界も長く持たない事を知っており、ライナーたちの故郷にヒストリアを保護させることを計画し、ライナーたちに協力する。

 

ウトガルド城では、壁内の時代設定である18世紀には存在しないはずの缶詰を使い、ライナーが壁外の人間かどうかを確かめようとした。

しかしライナーもまたユミルの正体を確かめようとわざと矛盾する内容のブラフ(壁内で使っている逆さカタカナ文字を、壁内人類のはずのライナーが読めないと言う)をかけているため、この部分の会話はファンの間で物議を醸している。

 

 

人間のために天界の火を盗んだ罪で処刑されたギリシャ神話のプロメテウスが元ネタのひとつか?

ウォール・ローゼが超大型巨人に攻撃され、人類が巨人に食べられている時、ユミルが非常に楽しそうだったのは、「ざまあみろ、お前らもユミルの民と同じ目に遭えばいいんだ」と考えていたからではないか。

 

 

 

 

ユミルとヒストリア=当時はクリスタが同一人物だという前提で、9巻37話「南西へ」の2人の会話を見てみよう。

(ウォール・ローゼが突破されたと誤認し、壁の破壊個所を特定しようとする西班。ユミルは自分とクリスタを退避させるよう要求するが、ナナバ班長に却下される)
▽ヒストリア「ユミル…私はここで最善を尽くしたい だって…私は自分で調査兵団を選んだんだから でも…あなたはそうじゃないでしょ? あの時…調査兵団を選んだのは 私が…」
▼ユミル「私が!?はっ!?私のために とでも言いたいのか!?」
▽ヒストリア「じゃあ何で今ここにいるの?理由が無いなら今すぐ逃げてよ…」
▼ユミル黙る
▽ヒストリア「やっぱり…私の実力が今期の10番以内に見合うはずがない… 誰に聞いたって10番以内はあなただと答えるはず… どうやったか分からないけど… あなたは私に憲兵団を目指すよう促すばかりか その権利さえ私に渡そうとした… 何で…私にそこまでするの?」
▼ユミル無言
▽ヒストリアためらいがちに「私の…生まれた家と関係ある?」
▼ユミル「あぁ ある」
ヒストリア目を見開く
▼ユミル「クリスタ…安心してくれよ」「(太字で)私がここにいるのは すべて自分のためなんだ
▽ヒストリア何かを耐えるような笑顔で「…そっか よかった…
▼ユミルその笑顔を見つめる

 

・ユミルはわざと自分の順位を下げてまで、ヒストリアを巨人と戦わずに済む憲兵団に行かそうとした。

・ユミルは自称60年間も壁外を彷徨っていたにも関わらずヒストリアと実家の関係を知っている。

・ユミルは自分の行動はすべて自分のためだと答えている。

 

上記はユミルとヒストリアが同一人物ならすべて説明がつく。

ユミルにとって、ヒストリアを守ることは自分を守る事になるからだ。

そして、本人なのだからヒストリアとレイス家の関係も知っていて当然である。

 

おそらく、過去のユミル(先代ヒストリア?)は、今のヒストリアと同じように他人を怖れて、善人であろうと自分を抑圧していたのではないか。

だからこそ今のヒストリアを見て苛立ち、彼女の心中が分かるだけに、その何かに耐えているかのような笑顔を見て「自分もこんなつらそうな笑顔をしていたのか」と胸を突かれるのである。

 

ただし、正反対の解釈もあり得る。

ユミルはヒストリアを助けたいのではなく、自分が生き残るためのイケニエとしてヒストリアを大切にしているだけだという解釈である。

私は現在、エレンはグリシャのクローンのような存在であり、グリシャが自分をエレンに食わせる事で自分の記憶と人格をエレンにバックアップし、エレンの脳を乗っ取って支配する事で、若がえったグリシャとしてよみがえろうとしていると考察している。

この考察に基づけば、ユミルもあの謎の注射さえあればヒストリアの体を乗っ取って生き延びることが可能になる。

ユミルは現在の自分を「第2の人生」と語っているので、ヒストリアの体に自分をダウンロードしてよみがえれば「第3の人生」を生きることができるわけだ。

また、ヒストリアが憲兵になって中央に行けば、レイス家に発見される確率も高くなる。

現在(15巻第63話「鎖」時点)、レイス家はヒストリア(およびエレン)を利用して巨人から壁を守ろうとしている可能性がある。

つまりヒストリアを中央の憲兵団に送り込む事でレイス家にヒストリアを捕まえさせれば、結果的に壁が守られ、自分もこのまま生き残れると考えた可能性もある。

 

しかし、ユミルは12巻ラストでヒストリアと別れてライナーたちの故郷に行くことを選択しており、そもそも11巻ラストでのライナーの説得でクリスタだけは「あっち側」に行かそうとしているので、上記のような「ユミルがヒストリアをイケニエにして生き延びようとしている説」は可能性が低いと考えられる。

また、ユミルはヒストリア本人ではなくヒストリアの母など深い関係にある場合や、家臣(奴隷)と主人のような関係も想定される。

事実、10巻第40話「ユミル」の雪山訓練の回想において、ユミルはヒストリアに「お前と私は対等じゃない。ユミルとして生まれた事を肯定し、堂々とユミルと名乗ってイカした人生を送る事が自分の人生の復讐だ」という趣旨の発言をして、ヒストリアに自分の運命を変えろとアドバイスしている。

ユミルは奴隷もしくは食用の家畜の一族やその王家、ヒストリアはユミルを使役して食べる人間の王家であり、両王家で似たシチュエーションが存在するのかもしれない。

 

もう一点気になるのは、雪山訓練の回想でユミルはヒストリアに「クリスタは良い子なんだから」とやたらに強調しており、まるで13巻第54話「反撃の場所」においてフリーダがヒストリアに語った「絵本に描かれているような、いつも他の人を思いやっている優しい子、みんなから愛される人になって助け合いながら生きて行きなさい」という教えを知っているかのようである。

要するに、ユミルの今までのヒストリアに対する言動は、ヒストリアに刷り込まれたフリーダの教えを否定し、ヒストリアの意識から払拭する事が目的のようにも見える。

 

 

 

ユミル=レイス家襲撃犯?

・ユミルは「かつてライナーたちの仲間から巨人の力を盗んだ」とヒストリアに告白している。

・これはレイス家からフリーダの巨人の力を盗まれた事件の事ではないだろうか。

 

 

 

ユミルは王家の影武者?

・たとえば病気の際には臓器提供者(ドナー)となり、危険な任務の場合は身代わりになるような影武者。

・身分が違う=主人と下僕?

 

 

ユミル=フリーダ?

・蔑まれている者の方が、実は主人。

・たとえばレイス家が「真の王」に反乱した奴隷で、ヒストリアがその反乱奴隷にさらわれた「真の王」の子孫だとする。

・反乱や「真の王」の記憶は時を経て忘れ去られたが、「真の王」の子孫への差別だけが残ったとする。

・ヒストリアは本来なら奴隷=壁内人類の主人なのに、壁内では蔑まれる存在になる。「生まれてこなけりゃよかったのに」

・作中ではヒストリアは「血は直系だが不貞の子だから」レイス家から追放されたと言われているが、むしろ「真の王の直系だから」追放されたのではないかとも考えられる。

第64話「歓迎会」現在、グリシャも巨人化でき、かつ非常に強力で髭や体毛の濃い巨人という特殊な外見をしているため、グリシャも王家ではないのかという疑問が出ている。

・グリシャが真の王だとすれば、ヒストリアはグリシャとフリーダの子ではないだろうか?

・ヒストリアが迫害されたのも、そのためではないだろうか。

 

・ギリシャ神話のゼウスとエウロペ―の話をもとに、穴だらけを承知で仮説を立ててみる。

・レイス家とイェーガー家は代々争ってきた。

・グリシャとフリーダが争いを止めるために結婚しようとするが、怒ったレイス家がイェーガー家を皆殺しにする。

・生き残ったグリシャがレイス家を襲撃し、フリーダをさらって逃亡。

・グリシャとフリーダの間にヒストリアが生まれる。

・レイス家がフリーダとヒストリアを奪い返し、グリシャが激怒。

・レイス家の誰かが巨人になって、フリーダを食べ、新フリーダが誕生する。

・新フリーダは牧場で”飼育”されているヒストリアを教育し、同時にヒストリアの脳に自分の記憶を少しずつバックアップしてゆく。

 

    <16巻第63話「鎖」 ロッド・レイス卿の回想 レイス家襲撃事件1巡目>

・グリシャがレイス家(ウォール・シーナの教会地下空洞)に殴りこむ。(想像)グリシャ「ヒストリアを返せ!」

・しかしそこには中身が別人になってしまった新フリーダがいた。(想像)グリシャ「よくもフリーダを、私の妻を食ったな!」

・グリシャ、巨人化して新フリーダ巨人を倒し、新フリーダを食べた後、レイス家を虐殺。ロッド・レイス卿は逃亡。

・グリシャ、ロッド・レイス卿を逃がしたため、万が一に備えて自分のクローンを作る。(以下、クローン・グリシャと呼称)

・ロッド・レイス卿、ヒストリアを使って世界を再生。

・グリシャは再生を回避して生存。代わりにクローン・グリシャが再生される。以後、2人のグリシャが二重生活を送る。

・世界再生時に、ヒストリアが「今度は自分のために生きたい」と強く願ったため、ヒストリアの分身であるユミルが生まれる。ユミルは、ヒストリアのフリーダへの「自分もそうなりたい」という憧れと、フリーダがヒストリアの脳にバックアップしておいた記憶から再生された。

・レイス家再生を知ったグリシャは、復讐のために自らのクローンとしてエレンを作る。

・一方、ロッド・レイス卿はグリシャの再襲撃に備え、ヒストリアを農場に隔離する。

・10年前後が経過し、ライナーたちが壁への攻撃を始める。(attack on titan タイタンへの攻撃)

・グリシャはエレンに地下室を見せると約束した後、まだ髪のあるキースに「どこそこにエレンがいるから、エレンをウォール・ローゼに帰してやってほしい」と依頼し、ウォール・シーナに向かう。

・一方、クローン・グリシャは壁外勢力の攻撃を知り、ウォール・ローゼに退避していたエレンをウォール・シーナに連れて行く。

 

    <16巻第63話「鎖」 エレンの回想 レイス家襲撃事件2巡目>

・クローン・グリシャはエレンにフリーダの復讐を刷り込み、レイス家襲撃後は関連の記憶を失うようにセットして、巨人化させて自分を食べさせる。グリシャ「母さん(=フリーダ)の仇は!!お前が討つんだ!!」

・クローン・グリシャの復讐心を移植されたエレンが再生レイス家を襲撃。1巡目のグリシャと同じくレイス家を皆殺しにする。ロッド・レイス卿も1巡目と同じように逃亡する。

・逃亡してきたロッド・レイス卿を、グリシャ巨人が捕まえて食べ、ロッド・レイス卿の容姿となり、以後レイス卿になり済ます。1巡目の記憶からレイス卿の逃亡ルートを割り出し、待ち伏せしていたのだ。

・エレンはレイス家襲撃の記憶を失ったが、キースの手引きでウォール・ローゼに戻る。

・ロッド・レイス卿になり済ましたグリシャは早速ヒストリアの居場所を調べ、農場に救出に行くが、ケニー・アッカーマンに阻止される。そこでとっさに演技をし、次善策として辺境へ追放する事でヒストリアを守る。調査兵団に入ればキースに保護させることもできるし、エレンも調査兵団に入る可能性は高いと考えたかもしれない。また、これならいかにも後継者候補をスペアとして残しておくための妥協案に見える。

・以後は漫画の展開どおり。

 

    <15巻第62話「罪」 エレンの回想>

・エレンとヒストリアを誘拐したレイス卿に化けたグリシャは、ヒストリアを抱きしめて涙を流す。

・ロッド・レイス卿(中身はグリシャ)「今までのことを許してくれ… お前を守るためには ああするしか 無かったんだ」「いつだって お前のことを 思っていた こうやって抱きしめることを ずっと夢見ていたんだ」

グリシャがレイス家にさらわれた自分の娘ヒストリアを世界再生を乗り越えてようやく抱きしめているのだとすれば、非常に納得できるシーンである。

 

 

 

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最終更新:2014年12月30日 22:09