※ネタバレや考察自体がお好きでない方は絶対に閲覧しないようお願いいたします。
※以下の内容を読んだ場合、今後作品を楽しむ喜びを損なう危険があります。閲覧は自己責任でお願いいたします。
※作中の描写だけでなく、作り手の意図や傾向、自分ならどうするかなど推測も交えて考察しております。
作中の登場人物が何度も口にする言葉、「人類」。
なぜ彼らは事あるごとに、自分たちの事を人類だと強調するのか。
それを考えるヒントが、ライナーが12巻第42話「子供達」でユミルに言うセリフ、「約束する!クリスタだけは必ずこの争いから救い出すと!」である。
このセリフを作品の内容と合わせて分析すると、この世界は何らかの「争い」をしている最中である。
したがって、
(1)その争いは壁内人類を全滅させなければならないほど深刻なものであり、
(2)しかもその争いは「壁内人類がこの世界を地獄にした原因そのもの、または原因に深い関係がある」と思われ、
(3)レイス家は巨人で壁の周囲を囲み、壁内人類を外界と隔離し、記憶を改竄する事で人類すべてを守る道を選び、
(4)なのに壁内人類はその争いの事実を知らない(忘却させられている)
(5)そのため、壁内人類が事実を知る(思い出す)と、壁内人類が滅亡するような、あるいは人類滅亡より大変な事態が起きる
と予想される。
また、「救い出す」というセリフのニュアンスから、
(1)ライナーたちにはこの争いを止める事はできず、
(2)ライナーたち自身も本当は嫌なのに争いに参加せざるを得ない事情があり、
(3)ライナーたちはこの争いを災厄や不幸なものだと考えており、
(4)しかも争いから「救出」する方法が存在し、(人類消滅、座標の奪取、など。壁教に関連あり)、
(5)クリスタを「争いに巻き込まれた被害者」であるかのように看做している (だから「救出」という表現になっている)
などの状況が垣間見える。
キーワードは「人類」と「争い」である。
しかも、片方が人類全体を消滅させられるほどの争いという事になる。
作中において、ライナーたちは当初、壁内人類の全滅を狙って壁を破壊している。
これは、壁内人類にとっての種族全体の運命をかけた争いである。
では、現実の人類にとって最も深刻、かつ最大の”争い”とは何か?
私は人類最大の争いとは、「ネアンデルタール人とクロマニョン人の”人類”の座をかけた進化の争い」だったと考える。
争いとは、現代のようにネアンデルタール人とクロマニョン人が国に分かれて戦争をするという意味ではなく、この場合は「どちらが淘汰され、どちらが生き残るか」という、生物の進化上の命題を指す。
たとえば、フクロウの目のレイス家はネアンデルタール人の純血種、または最も濃い血筋。
それ以外の人種は現生人類であるホモ・サピエンス。
ただし、ネアンデルタール人の血をひく者もいる。
エレンは、ネアンデルタール人と現生人類のハーフである。
歯が二段になっているのは2つ以上の血を引いている事を表している。
エレン巨人の頭蓋骨が左右に平たく、細長いのはネアンデルタール人の特徴である。
また、エレンの目は、レイス家のネアンデルタール人の目と、現生人類であるホモ・サピエンス(クロマニョン)の中間の形である。
エレンはヘラクレスがモチーフか?