――俺は、何をしているんだろう。
「京ちゃんも、来年は一緒に頑張ろう?」
――みんな、頑張ってるのに。
「ま、タコスの恩は返すじぇ」
――俺は、こんなところで。
「……私も、協力しますから。今までのお礼を」
――みんなに、手間を。
「安心せい。時間はあるからな、とことんやろう」
――俺は。
「……今までは、何もできなかったから。せめて、これぐらいはやらせて?」
――俺は。
「あの、先輩?」
――駄目、だ。
「須賀くん」
手を握られている。温かい。
聞き覚えのある声だけど、誰かは思い出せない。
目を開いて確認するのも億劫だ。
「ごめんね。私の、せいだよね」
謝れている。わからない。
思い出せない。誰だろう。
この人は、何で悲しそうなんだろう。
「……私は、側にいるから。何も出来ないかもしれないけど」
口を開くことも出来ない。
「だけど、せめて……私は、私たちは」
頬に何かが伝う。
「ずっと、側で」
それが何かは、やっぱりわからないけれど。
「待っているから。あなたのことを」
ほのかに、あたたかいと、おもった。
【病んだ京ちゃんと彼女たちと】