物乞い

17.物乞い

戦争が終わって生き残った人々には、住む家は焼け、着るものは替えるものがない状態でした。しかし、やはり食べるものがないのが、差し迫った一番の問題でした。いつもは食べないカエル、ヘビ、トカゲなどの動物、木の実、草類などなんでも食べた経験があります。そして最もてっとり早いのがアメリカの兵隊に物乞いすることです。兵隊はなんでも持っていました。特にチョコレイト、チューインガムなどは魅力でした。皆米兵の後を追いかけていました。私も欲しかったんですが、妙なプライドがあったのか、親からきつくいわれたのか追いかけて物乞いした記憶はありません。
ここで書きたいのは、若い女性のことです。我々が住んでる家の近くにも若い女性がいました。米兵の間で情報交換ができてるせいか夜暗くなると米兵が来るんです。そして二人で出かけてゆきます。若い女性の親が止める様子はみられませんでした。今晩も娘が稼いできてくれるという気持ちだったのでしょうか?白昼でも堂々と二人連れで歩いているのも、よく見受けました。ああいう女性がいるから良家の女性が助かっているんだという風説までながれました。
しかしこの時代の日本の若い女性にとって不幸な事は、相手になる若い日本人の男性が全く少ないとという事だったと思います。戦争で亡くなっているのです。

(工事中)

名前:
コメント:

すべてのコメントを見る
最終更新:2016年05月16日 07:10