“誠に美しく明哲な千年従者”
西暦241年。刻鸞王国が建国する前、二人の神使いが人の腹を伝いこの世に生まれた。
のちの帝秀叡と帝怜禎である。
彼女らはどのように生き、どのように誓い、守ったのか。
そして彼らが千年かけても贖いきれぬ罪とは。
主君目線ではなく従者目線からの和鸞時代となります。
同じ下位の神使いとして皇家に仕える側近。
幼い頃から一緒に学問、武術に励んだ同士であり、ある意味幼馴染ともいえる。
怜禎は秀叡に惚れているが、秀叡は(本人いわく)癒晏に惚れており、三角関係(?)となっている。
~秀叡~
~怜禎~
ある日突然怜禎の体に現れた痣。秀叡が問い詰めても原因が不明だったが、のちに唯晏の仕業だとわかる。
何とか暴力を止めようとしたが、返り討ちに合い重傷を負う。
自分のために大きな傷を負ってしまった秀叡。深い罪悪感に見舞われた怜禎は藜様の元に相談に行く。
「秀叡も唯晏様も護れるほどの力がほしい」
その時に受け取ったのが洸玉。
洸玉とは怜禎の潜在能力(ポテンシャル)を宝玉に変えたもの(形にしたもの)で、ちゃんとした儀式を通して得たものである。
これをもつ者にその潜在意識分の力を与える。(つまり火事場の馬鹿力でしか出ない力を、玉の力で簡単に出せるという事)
玉は簡単には割れないようになっている(それほどその時の意志が固かったということ)。
浅葱色で丸いソ●ルジェムみたいな宝玉。
単刀直入に言うと、従者という身でありながら主を守れなかったという事。
二人で万人は斬り払ったのだから責めるのもお門違いではあるが、彼らからすればかなりのショックだった(うち秀叡は目の前で死んでいったから)。
その後は三日三晩泣き腫らし水さえものどに通さず心が死んでいたようだと二人は語っている。
初めての主君を失った彼らは自らのことをこう呼んでいる。
“贖い難き永遠の罪”と――。