15巻 第62話「罪」

【大前提】レイス卿が記憶を操った可能性

◎フリーダの記憶操作能力はレイス家の力か、フリーダだけの力か

・ヒストリアの回想シーンで、フリーダはヒストリアの記憶から自分の存在だけを消している。

・特定の個人の記憶だけを選択して消している事から、フリーダは強力かつテクニカルな記憶操作が可能だったと考えられる。

・もしもこの記憶操作の力がレイス家特有のものだとすると、ロッド・レイス卿も使用できるのではないか?

 

・以上の仮定に従ってエレンが記憶映像を見るプロセスを確認してみよう。

・思考とは電気である。記憶操作も脳の電気信号を利用している可能性がある。

・まずレイス卿が「こうすれば彼は思い出すかもしれない・・・」と言って、レイス卿の左手とヒストリアの右手をエレンの背中に置く。

模式図1 : (レイス卿の左手) (ヒストリアの右手)

               ↓   ↓

             ( エ レ ン )

・レイス卿から、エレンの体を通じてヒストリアに電気を流す事が可能な状態になる。

・すると、その瞬間、エレンとヒストリアの脳裏にレイス家襲撃の映像が浮かぶ。

・このシーンを漫画を見ると、レイス卿とヒストリアがエレンに触る事で、エレンの脳内の記憶がよみがえったかのように見える。

 

・しかし、もしもこの時レイス卿が2人にレイス家襲撃の映像を見せたのだとしたら?

・そしてその映像とは、レイス卿とエレンとヒストリアの記憶を混ぜ合わせたものではないだろうか。

・だから、レイス卿とヒストリアが同時にエレンに触れなくてはならなかったのでは?

・レイス卿はどうしてもエレンとヒストリアの2人同時に触る必要があったのではないか?

模式図2 : (レイス卿の左手)→(エレン)→(ヒストリアの右手)

つまり、レイス卿も記憶操作の力を持っており、エレンの体を利用してヒストリアにも電気信号を流す事で、記憶を2人同時に見せたのではないか?

 

 

 

レイス家を襲ったのは子ども

◎レイス家の視線

・レイス家領内の教会地下で、エレンはロッド・レイス卿とヒストリアに触れられて、レイス家が何者かに襲われてゆく映像を見る。

・何かの光に満たされた地下洞窟で、円になって祈るレイス家。

・映像はエレンの主観視点だが、エレン側を見るレイス家の視線が低い。(明らかに自分より背の低い人間を見ている)

・後に出てくる髪のあるキースの映像でも、視線が低い。

・したがって、レイス家襲撃犯(エレンの記憶の人物)は子どもか、子どもくらい背の低い人間と見られる。

・この事実は非常に重要である。

・なぜなら、次の第63話「鎖」の映像ではグリシャがレイス家を襲ったとされるが、グリシャは長身である。

・つまり、第62話「罪」のレイス家襲撃と、第63話「鎖」のレイス家襲撃は別の事件だと考えられる。

・この点については、次の第63話「鎖」の考察で詳細に検証する。

 

 

襲撃者の「黒い袖」の謎

◎黒い袖の謎

・エレンの見た映像では、教会の地下室への入り口を開ける襲撃者の手が映っている。

・その手の袖は黒い。つまり襲撃者は黒い服を着ていた事が分かる。

・しかし、グリシャだけでなくエレンも黒い服を着ている。むしろ絵を見る限りエレンの服の袖に近い。

・上記の「レイス家の視線」が正しいと仮定すると、襲撃者はエレンだという事になる。

 

◎本当に二者択一か?

・現在の描写では、襲撃犯はグリシャかエレンの二者択一だと考えられる。

・しかし、それでは少し展開が安易すぎないだろうか。

・「レイス家の視線」も「黒い袖の謎」も絵ではっきり描かれているので、誰でも気づく事ができる。

・ここではもう一段階、トラップが仕掛けられているのではないだろうか。

・たとえばどちらでもない第三者、服はエレンだが中身は別人、別人格のエレン、などの展開である。

・この作品では外見が当てにならない。注射で記憶を移植する事が可能だからだ。

・また、意志の強い人間が巨人の意識を乗っ取る事ができる可能性まである。

・エレンの体にグリシャ(あるいは他の人間)の意識が入っている、という展開も考えられる。

 

 

 

ヒストリア似の巨人は本当にフリーダなのか?

◎複数の人間の記憶が混ざっている

・大前提として、エレンは注射によりグリシャなど他人の記憶を継承しているため、エレンの脳には複数の人間の記憶が混在する。(グリシャも「彼らの記憶」と発言している)

・エレンが時折幻視する映像は、大勢の人間の記憶が混在したものだと考えられる。

・であるならば、エレンの見た連続映像がすべて1人の人間の時系列順の記憶だとは断定できない。

・したがって、エレンの見たレイス家襲撃事件の映像は、複数の人間の記憶が順不同に組み合わさっている可能性がある。

 

・さらに問題が複雑なのは、エレンの脳内には何者かの襲撃を受けて食べられたフリーダの記憶もあると思われる事だ。

・つまり、エレンの脳内には「食べた襲撃犯」と「食べられたフリーダ」の記憶が同時に存在しているのである。

 

 

◎記憶は2つ?

・そこでひとつの仮定を立ててみよう。

・まず、襲撃犯は子どもだとする。襲撃犯が子どものように背の低い人間であることはレイス家と若きキースの映像で明らかである。

・その子どもは巨人となってレイス家を襲撃し、フリーダ巨人と戦った。

・この時、2つの記憶が存在する事になる。

・「子ども巨人の見たフリーダ巨人の映像」の記憶と、「フリーダ巨人の見た子ども巨人の映像」の記憶である。

 

 

◎金髪巨人を見ているのは誰の記憶?

・現在、読者は金髪巨人がフリーダ巨人だという前提で読んでいる。

・しかし、今までの『進撃の巨人』で、巨人化して髪の色が変わった例は無い。(唯一ベルトルトが巨人化すると髪の毛が無くなる)

・つまり、今までの法則に従えば、金髪巨人はフリーダではないという事になるのである。

・という事は、この金髪巨人は襲撃者の変身した巨人だという事になる。

・だとすれば、金髪巨人を見ている記憶はフリーダの記憶である。

 

 

◎金髪巨人の正体は?

・また、この金髪巨人はヒストリアによく似ている。

・今までの法則では、巨人は人間時の特徴を残す。

・ならば、金髪巨人の正体はヒストリアではないのか?背が低いのも条件に合致する。

 

・つまり、襲撃者はヒストリアであり、ヒストリアはフリーダを食べた後、レイス家を殺戮してからキースの手引きによって脱出したのではないだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2014年12月13日 06:19