以下、作中の主人公側の人類を「壁内人類」と呼称する。
◎壁内人類の正体は、人型の人造生物である。
・壁内人類は植物や酵母などの菌類と動物を元に作られた獣人か、あるいは動物の遺伝子を取りこんでいる存在。
・壁内人類は王政からの食糧その他の処置によって人間の形や理性を保っているが、王政の処置が途切れると元の動物に戻ってしまう。
・脳が動物に戻った巨人が奇行種(の一部)である。
・イルゼ・ラングナーが接触した巨人は「犬男」である。
◎「人類」=生物、「人」=人間
・壁内には人間もいる。
・壁内人類のよく使う「人類」という言葉は、実は「生物」という意味である。
・同時に、「人類」は自分たちの住んでいる場所の名前や国名の代わりとしても使用される。
・作中で使われる「人類」は、①生物という意味と、②場所や国という意味の両方があるため、判別しにくくなっている。
・このような生物と場所の掛け言葉(ダブル・ミーニング)の例。
●『テラフォーマーズ』 「地球を嘗めるなよ」
●『ドラゴンボール』 ピッコロ「地球を…なめるなよ……!!」
この「地球」には、①「地球に住む生物・人類」と、②「地球という惑星」の2つの意味がある。
・いわゆる「人間」は、「人(ひと)」と呼んで区別する。
・たとえば ウォール・ローゼ
ウォール・シーナに住んでいる者だけが「人」、それより外側に住む者は「人類」。(※2015年1月14日訂正)
・動物から見れば、人間は自分たちを食べ尽くす悪魔であり、自分たちよりも体の大きい巨人に見える。
・ベルトルトの言う「悪魔の末裔」とは、「人間の子孫」という意味である。
◎壁の中が動物か、外が動物か
・壁の中の人が動物か、それとも壁を攻撃するライナーたちが動物か。
・それとも両方とも動物でバックに人間がいるのか。
たとえば壁内人類は逃亡した家畜で、ライナーたちは牧場主の放った猟犬。
たとえば壁内人類は人間に反乱した逃亡奴隷で、指導者は人間。逃亡時に重要人物を誘拐したので、その奪還チームがライナーたち。
・壁内人類の正体は、ウイルスなどの病原体またはそのウイルスの感染者である。
・壁内人類は体からウイルスを拡散し、壁外に流出させ続けている。
・ライナーたちの目的は病原菌である壁内人類の撲滅と、パンデミックを防ぐために壁内に潜入している医療チーム(グリシャやエレン)の回収。
・壁内や壁のある世界は隔離病棟であり、この病棟から伝染病患者か逃亡しないよう、月に監視基地が設置されている。
・月は恒常的に潜入医療チームを監視しており、彼らが危機に陥った場合、彼らの脳波やアドレナリンなどの体内物質の変化を読み取り、月から電撃を発射して潜入医療チームを巨人化させる。
・巨人は伝染病の発症者であり、免疫抗体を求めて、治療薬(ワクチン)として人間を食べている。
・そのため、ワクチンでない人間を食べた時にはそのまま吐き出す。
・ワクチンとなる人間を食べると巨人化が解除されて元の人間に戻れるが、運よくワクチン人間を食べられるまで永遠に人間を食べ続けなければならない。
・エレンやライナーたちは事前に種痘のような免疫処置を施されたか、ワクチンを投与されたか、あるいは一度巨人病に罹患=巨人化してから人間に戻ったため免疫抗体を持っている。
・巨人が他の壁内人類よりもエレンを優先して食べようとするのは、エレンがワクチンとなる免疫抗体を持っている事が分かるから。
・この免疫抗体は所有者が生きてないと効果が無いため、巨人は死体は食べない。
・巨人は死体かどうかを「声や動き」「脳波」で判断している可能性がある。
・イルゼが最初は「イルゼ・イーター」に食べられなかったのは、死を覚悟して動かなかったから。ところがその後、興奮して大声を出したためにイルゼは食べられてしまった。
・だからイルゼ・イーターは「死んで動かなくなったイルゼ」には再び敬意を払い、その死体を拝むようになった。
・壁内人類の正体は、異常プリオンである。
・伝達性海綿状脳症の病原体である感染性蛋白粒子(プリオン prion proteinaceous infectious particle)
・牛海綿状脳症(BSE)と同じ異常タンパク質による感染症。いわゆる狂牛病。
・いわば壁内人類は「狂人病」の原因物質である。
・プリオンは他の正常なタンパク質まで異常タンパク質にしてしまう。
・プリオンは新陳代謝をしないが、これは巨人が自己繁殖しない点に似ている。
・壁のある世界は惑星規模の巨人の脳であり、壁内人類はその脳に蓄積した病原体であるため、駆逐しなければならない。
・狂牛病は脳をスポンジ化させるが、これは巨人化の際の無知性化を連想させる。
・アニメ後期エンディングでミカサの手からこぼれて転がるクルミは、脳と種のダブルミーニング。
・クルミは栄養価だけでなく、殻の中身が脳に似ているため、脳に良い食べ物「ブレイン・フード」とも呼ばれる。
・ウイルス説と共通点が多い。
・壁内人類の正体は、寄生虫または害虫である。
・
・ウイルス説や異常プリオン説と共通点が多い。
・壁内人類の正体は、食料となる動物を封じ込めた生きた缶詰である。
・特別な処置をされた者の命令によってのみ、巨人の体内に保存された遺伝子情報が解放され、巨人の肉体から様々な動物が再生される。
・その遺伝子解放命令を出せるのは子宮と卵子を持つ女性体だけであり、この特別な女性を「女神」と呼ぶ。
・かつて地球人は太陽の赤色巨星化など大災害のため地球から脱出したが、その時に「ノアの箱舟」を巨人で作り、多くの動物の遺伝子を不死の巨人に大量に格納して別の惑星に運んだ。
・この時、地球人は動物を巨人にして、動物の遺伝子を持つ生物を食べたくなる本能を与えた。巨人は動物を片っ端から食べて、自動的に多くの遺伝子が収集された。
・地球人は人間が生存できる可能性の高い星として、木星や土星の「衛星」を選んだ。
・衛星に着いた地球人は巨人で壁をつくり、壁の内部を巨人化物質で満たした。
・壁の外部には牧羊犬代わりに巨人を放し、壁内で羊のように人型にした動物を繁殖させることで、いざというときの食糧倉庫にした。
・ところが、一部の動物たちが知性を得て自分たちが食べられる事を知り、地球人に反乱して一部の地球人とともに「女神」をさらって壁に立てこもってしまった。(主犯は地球人?)
・ライナーたちのいる外部世界は深刻な食糧不足に陥った。
・動物の遺伝子を格納した巨人から、食料となる動物を取り出せくなってしまったのだ。
・いわば食糧倉庫のカギを盗まれたに等しい。
・そこで地球人たちは食糧を奪還するために「女神」奪還を計画した。
・しかし壁内は動物を人型に維持するために巨人化物質で満たされているため、通常の人間では潜入不可能。
・巨人化物質はタンパク質と結合して、人間を思考能力のない無知性巨人にしてしまうからだ。
・地球人の巨人化は可能だが、巨人化は細胞分裂(テロメア)を使用するため、回数が限られるだけでなく巨人化する度に寿命が縮む。
・しかも細胞分裂の限界に達すると、すなわちテロメアを使いきると、人間の細胞は巨人細胞と同化してしまい、二度と人間には戻れない
・そのため、できるだけ細胞分裂の残り回数が多い人間、すなわち「子どもたち」が潜入部隊に選ばれることになった。
・知性巨人となるには、自分と同じか、自分とできるだけ近い遺伝子を持つ人間を食べなければならない。
・子どもたちは知性巨人となるために、親を食べたのである。
・子どもたち特別な巨人化注射を打たれて巨人化し、多くの人のために自分の親を食べて人型に戻った。
・親を失った子どもたちで構成された潜入部隊は「孤児部隊」と呼ばれた。
・同じ過酷な運命を受け入れた孤児部隊の子どもたちは強く結束した。
・彼らは結束を固めるため、「自分たちは人類のための戦士になるんだ。故郷に帰るまで決してあきらめないぞ」と互いに誓った。
・一方、壁内でも食糧不足が起きていた。
・壁内では反乱を起こした動物(豚?)が権力を握り、王政となって他の動物を支配していた。
・そして動物に知恵を与え反乱を指導した地球人は、影から壁内を支配した。
・彼らは「女神」を作り、壁を増やし、壁内人類を動物に戻して食料にした。
・つまり、壁内では地球人に食べられたくなくて逃亡した動物同士が、共食いをしているのだ。
・壁内にはビオトープや生命球のように、自給自足の疑似自然サイクルが作られてはいたが、このようないびつな世界が長持ちするわけはなかった。(実際に生命球も3~5年ほどで寿命となる)
・壁内は次第に食料となる動物たちが減ってゆき、壁内人類同士の争いという”共食い”の危機が忍び寄って来ていた。
・地球人側では、何度かの潜入工作により、壁内の情報が集まりつつあった。
・ライナーたちは壁内に潜入し、正体を隠して壁を破壊し、壁内人類を絶滅させる特殊工作部隊として衛星に降下した。
・最初の任務は壁内の情報と身分を得るため、壁内人類を捕らえて食べる事だった。
・そのため、孤児部隊には特殊な巨人化注射が与えられていた。
・捕えた壁内人類の捕虜にこの注射をして巨人化させて自分を食べさせると、その巨人の中で自分が再生されて、捕虜の体を乗っ取る事ができる。
・再生時には相手の記憶と経験を得ることができるが、再生された体は捕虜の遺伝子の影響を受けてしまう。つまり捕虜の容姿に似てしまうのだ。
・だから、孤児部隊はみな、親に良く似た顔をしていた。その事がさらに彼らを苦しめた。
・しかしライナーたちは降下直後に無知性ユミル巨人に襲われ、マルセルを食べられてしまう。
・マルセルは巨人化注射を所持したまま食べられたため、その注射液の効果でユミル巨人は人間に戻った。
・ユミルから逃げたライナーたちは当初の作戦を開始。
・ライナーは巨人化して森に潜伏、調査兵団のモーゼス・ブラウンを口に入れて捕虜にする事に成功。このとき、ライナーはモーゼス・ブラウンの腕を噛みちぎって残してしまう。
・ライナーはモーゼス・ブラウンに特殊な巨人化注射をして自分を食べさせる事で、モーゼス・ブラウンの記憶と経験を得て、そしてモーゼス・ブラウンにそっくりの容姿に変化した。
・ベルトルトもおそらく同様の手口で壁内人類の記憶と容姿を手に入れた。立体機動の能力が高い事から、ライナーと同じく調査兵団の団員を食べた可能性が高い。
・ウイルス説や異常プリオン説と共通点が多い。
・壁内人類の正体は、自然の敵として追いつめられた人間である。
・ある移民星で人類が自然破壊したため、植物が自己防衛のために人類の記憶を奪う忘却ガス(胞子)を放出。
・動物が忘却ガス(胞子)を吸うと記憶喪失になり、火の使い方など自然破壊する力や知恵も失う。
・人類は巨人で壁を作って忘却ガス(胞子)を防いだ。
・一部の人間がこの機に乗じて、壁内を理想社会にするために支配権を奪取し、王政となる。
・王政は忘却ガス(胞子)を防いでいるので、王政が倒れるとガスが流れ込み、壁内人類は記憶を失う。
・壁内人類の正体は、「真の巨人」を復活させるための器。そのため、より完成度の高い肉体に改良され続けている。
・「真の巨人」とは人間である。人間は動物を食べ尽くし、戦争で殺し合い、巨人ウイルスのパンデミックで絶滅した。しかし、人間は絶滅する前に、自分たちの肉体を特殊な液体に溶かし、自分たちの記憶をカプセルに保管した。そして、巨人ウイルスに感染しないよう、動物から作った人造人間たちに人間復活計画を命令した。
・人間復活計画は、猿から作られた人造人間がリーダーである。(※以後、猿人間と呼称する)
・作業員不足を解消するため、猿人間は人間から受け継いだ技術で、他の動物から仲間を作って増やした。(※以後、獣人と呼称する)
・獣人たちは、自分たちよりも体の大きかった人間を「巨人」と呼んだ。
・獣人には犬から作られた者もいる=イルゼ・イーター。
・猿人間と獣人たちは、宇宙旅行に耐えるために巨人になって、生物の住めなくなった地球を脱出。
・彼らはたどり着いた土星の第6衛星タイタンにコロニーを作り、人間の肉体とすべきクローン育成計画を開始。
・壁の中に人間のクローンを養殖し、「悪しき心を持たない理想的な人間」を作るのが目的。
・理想的な人間の体にかつての人間の記憶を移植させれば、人間が復活できる。
・壁は衛星軌道上の巨大な宇宙船=月から管理されている。
・月からは巨人やクローンの大まかな状況や数しか分からない。そのため、壁に異変(急にクローンや巨人の数が増減するなどの異常現象)があると、タイタンに降下して直接状況を確認しなければならない。
・クローンは悪しき心を持つと失敗と見なされる。悪しき心とは人間絶滅の原因となった闘争心や他の生物を食べ尽くした貪欲さの事。
・クローンは失敗の度にデータを取られ、巨人化された後、壁外に廃棄される。そのため、壁外の巨人には性能差がある。たとえば新型の巨人ほど夜間の活動時間が長い。当然、人間は夜間でも活動できなければならない。
・クロ-ンは人間の記憶を移植するための器にすぎないので、知性が与えられていない=無知性巨人。
・しかし、一部のクローンが、自分たちが単なる実験動物であり、実験が失敗なら廃棄され、実験が成功しても人間に体を乗っ取られる事実を知ってしまう。
・一部のクローンたちは反乱を起こし、人間の科学力を奪って、最強の巨人の力を使って世界を再生する。
・壁内人類の正体は、敵を倒すためのを最終兵器のためのエネルギー源。生体太陽電池。
・この世界では、次の「人類」を決定する争いが続いている。
・エレンたちのいる壁は、最終兵器の砲口。または推進用ロケットの噴出口。
・壁内人類も巨人も太陽光を浴びてエネルギーを貯める生体電池。巨人が人間を食べるのは太陽エネルギーを集めるため。
・電池の蓄電能力を高めるために、壁内人類は改良を加えられ、旧型人類は定期的に廃棄され、新型人類に入れ替えられる。
・エレンは最終兵器のエネルギーを集めるための巨大バッテリー。最終兵器を使用するときには、他の巨人をすべて食べてエネルギーを回収する。
・現時点でもエレンは相当なエネルギーを貯めているため、他の巨人はエレンを食べたがる。
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