※ネタバレや考察自体がお好きでない方は絶対に閲覧しないようお願いいたします。
※以下の内容を読んだ場合、今後作品を楽しむ喜びを損なう危険があります。閲覧は自己責任でお願いいたします。
※作中の描写だけでなく、作り手の意図や傾向、自分ならどうするかなど推測も交えて考察しております。
<前回までのあらすじ>
エルヴィン・スミス団長と調査兵団によるクーデターは成功し、壁内人類を捏造した歴史で支配していた王政は倒れた。
3つの団を束ねていたダリス・ザックレー総統は自身の夢だった王政関係者への拷問を楽しんでいた。
王政関係者は異口同音に言う。「お前たちの血は奴隷用の血だ。我々名家の血筋とは違う。お前たちはすぐに記憶を失い、排便の仕方すら忘れるのだ」
駐屯兵団のドット・ピクシス司令官は王政の背後にいるレイス家の記憶操作能力を怖れ、クーデターが成功しても対立をやめられない壁内人類の未来を憂えた。
拉致されたエレン・イェーガーとヒストリア・レイスを奪還し、レイス家の記憶操作を阻止するため、エルヴィンと調査兵団はレイス領礼拝堂を目指して出発した。
一方、レイス領礼拝堂の地下空洞で、真の王家であるロッド・レイス卿は娘のヒストリアを巨人化させ、レイス家襲撃犯グリシャ・イェーガーの息子のエレンを食べさせようとしていた。
レイス卿はヒストリアにレイス家の秘密を語りかける。
巨人化したグリシャがフリーダを食べて奪った「レイス家の記憶」と「レイス家の巨人の力」は、いまはグリシャを食べたエレンの中に保存されている。
レイス家は100年にわたって、先代の継承者を新しい継承者が食べる事で、この「レイス家の記憶」と「レイス家の巨人の力」を代々受け継いできたのだ。
他のレイス家の子どもをすべてグリシャに殺され、いまや唯一のレイス後継者候補となったヒストリアがエレンを食べて、エレンの中の「レイス家の記憶」と「レイス家の巨人の力」を体内に入れれば、その巨人の力を使って平和な世界を再生する事ができる。
この洞窟も、そして他の巨人から残された人類を守るための「シーナ」「マリア」「ローゼ」の三重の壁も、ある巨人がその力を使って作った。
それだけでなく、その巨人は残された人類が平和に暮らせるよう願い、人類の記憶まで改竄したのである。
フリーダは叔父のウーリ(=ロッドの弟。ロッド・レイス卿の言う「とちくるった弟」=ケニー・アッカーマンの言う「ウーリ」と同一人物かどうかは不明。ウーリがグリシャの可能性もある(2015年1月23日修正)。ドイツ語:Uli
(ウーリ) 伝統、富、指導者)を食べ、記憶と力を継承し、人類の行く末を決定する権利と公表する権利を得たが、初代王や歴代の王と同じく真実を公表することはなかった。
「レイス家の巨人の力」を使えばこの世の巨人の駆逐すら可能だが、その力はレイス家の子孫にしか使えない。
つまり、レイス家の巨人の力がエレンの中にとどまっている限り、この巨人に怯え続ける地獄が続くのだ・・・と。
隠れてロッド・レイス卿の話を聞いていたケニー・アッカーマンは、レイス家でなければ「レイス家の巨人の力」は使えないと聞いて絶望した。
ケニーは自分が巨人化し、エレンを食べて「レイス家の巨人の力」を奪い、この世界を盤上ごとひっくり返すために、自分が真の王になろうと目論んでいたのだ。
「じ・・・じゃあ 俺が巨人になってエレンを食っても意味無いのかよ・・・」
ケニーの狂気が始まる。
<今回の考察>
予想された通り、ヒストリアが注射で巨人化しました。
他の掲示板を見ると、「まさかヒストリアが巨人化するなんて」という意見が多くて驚きます。
ハンジもそう予想し、ロッドがすでに巨人化注射(正確に言うとグリシャがエレンを巨人化させたのとそっくりな注射)を用意しているのですから、ヒストリアが巨人化する展開は予想できたはずです。
問題は「誰が巨人化するか」でしたが、エレンの反応だけが予想外でした。
というより、今回のエレンの言動は今までのエレンの描き方と矛盾しているような気がしますが、そのあたりの真相は来月明かされるのでしょう。
その他、私の予想とかなり共通点が多い事が判明しましたので、ちょっと嬉しい回ですね。
・アッカーマン家の謎で指摘した「血の継承」→ほぼ正解。正確には骨髄液と判明。(レイス家が記憶継承の家系というのも正解)
・王政が壁創生に関わる家系で、一般の壁内人類と異なる血筋→ほぼ正解。私は「王政=亜人(または豚の獣人)」「一般の壁内人類=獣人(または犬の獣人)」と仮称していた。今後の展開でより詳しい設定が判明するはず。
・「たとえばアッカーマン家は主人に使えるナイトや侍のような存在なのかもしれない」→正解。王側近の武家の家系で王政の懐刀(ふところがたな)。王政中枢の家系のひとつだった。今回、アッカーマン家と東洋人の一族がもともと王政の一員だったが、王政の体制に賛同せず分かれたという事実が新たに判明。言ってみれば特権階級の天竜人をやめた『ワンピース』のドフラミンゴ家のようなもの。ドーベルマンのような番犬? というよりは狼か?
・「ミカサ母の誘拐犯に対する反応から見て、アッカーマン家は何者かに追われている」→ほぼ正解。追われている理由は「アッカーマン家が記憶操作に反対し、かつ、記憶操作できない=記憶を残している家系であるため、それを恐れた王政から常に狙われ、粛清され続けている」。ケニーが若い頃(リヴァイの生まれる前)にはすでにアッカーマン一族は数人にまで減らされていた。東洋の一族も同じだと思われる。ミカサはアッカーマン家と東洋人のハイブリッド。
※混血で優秀になるという危険思想につながりやすいので注意。現在、NHKの『マッサン』で実行されているように、マスコミが日本人に国際結婚を良いものとして刷り込もうとする動きがあるが、これはかつて敗戦直後にGHQが日本に行った宣伝と同じ内容。
クイズ・ダービーなどで有名な篠沢秀夫教授も「戦後、GHQは日本人の民族的絶滅を計画し、日本人に国際結婚を押しつけようとした」と著書に記録している。
混血の推進によって特定の民族を消滅させる行為は「エスニック・クレンジング(民族浄化)」と呼ばれる虐殺行為の一種であり、中華人民共和国では現在も実行されている政策である。この政策により、同国に強制併合された地域のチベット人、満州人、モンゴル人は実際にほぼ絶滅させられている。バルカン半島でもセルビア人やクロアチア人によって同様の行為が行われており、『進撃の巨人』では、これらの「残酷な現実」を表現していると思われる。
・「用途に合わせた巨人の注射」をした人間が巨人化して他の人間を食べると、その人間の記憶や人格をコピーすると同時に、注射の中身によって様々な能力を持つ巨人に変身できる能力を得る→現在のところ「用途に合わせた巨人の注射で、様々な能力を持つ巨人に変身できる能力を得る」「食べた人間の記憶をコピーできる」という点は正解。人格のコピーについては不明。
・巨人=テラフォーマー説→正解の可能性が高くなった。ロッド・レイス卿の「安心しろ この注射なら強力な巨人になれる 最も戦いに向いた巨人を選んだ」というセリフから判明した設定。
①巨人化注射にはストックと用途別の種類がある。
②今回ロッド・レイス卿が用意した注射は純粋な戦闘用の巨人ではない。
③ということは、ストックの中にも戦闘用の巨人の注射は存在しない。(レイス卿が「<最も>戦いに向いた巨人」と発言しているため、残りのストック巨人の戦闘力はレイス卿の用意した巨人以下という事になる。一番戦闘に使える巨人でさえ純粋な戦闘用ではないという事は、巨人は兵器ではない可能性が高い)
④つまり、巨人には本来、別の用途がある。
⑤よって、巨人は「特定の用途のために人為的に作られた道具」だと考えられる。
※用途についての私の仮説のひとつが、テラフォーマー説(=惑星改造・土木工事用の生体重機)である。
・「壁内人類=動物説」→正解の可能性が高まった。
ケニーの祖父の告白から、壁内には3種類の人型の生物がいる事が判明した。
①「中枢を務める少数の独立した血族」(記憶操作されない)
②「大多数の単一民族」(記憶操作を受ける)
③「東洋人」(中枢の少数血族や大多数の単一民族とはかけ離れた人種)(記憶操作されない)
この3種類から、以下のように推測できる。
まず目を引くのは、ケニーの祖父が「血族」、「民族」、「人種」と区別して話している点である。
私の「壁内人類=動物説」に従えば、壁内における人類とは「人型の生物全般」を指す言葉であり、
「血族」は、亜人または豚など数種類の動物、
「民族」は、その他の動物(単一種。馬?)から作られた獣人または人造人間、
そして「人種」は、人間という種族の事だと考えられる。
つまり、壁内には本物の人間は東洋人しかいないのだ。
2巻第6話「少女が見た世界」で、ミカサを誘拐した犯人がこう語っている。
「昔は人間にも種類があってな そいつは その昔 「東洋」って所から 壁の中に逃げてきた 一族最後の末裔だ」
登場人物はすべて人間だという先入観があるため、読者はこのセリフを、「昔は自分たち人間にも種類があってな」と考えていた。
しかし、このセリフを人間以外の動物(から作られた獣人)が言っていると仮定すると、セリフの意味はこうなる。
「昔は自分たちとは違う人間という生き物にも種類があってな」
しばしば進撃ファンの間で問題になっていた「なぜ壁内には黒人がいないのか?」、「なぜ東洋人という言葉が使われているのに、西洋人という言葉を誰も使わないのか」などの疑問も、これで説明できる。
そもそも壁内には東洋人しか「人間」がいないからだ。(人間ではなく霊長類と言った方が分かりやすいだろうか)
残りは動物から作られた獣人か、人造人間なのである。
・「逆さカタカナ文字=日本語の片仮名がルーツ説」→正解の可能性が高まった。
壁内にいる唯一の人間が東洋人なら、それは日本人である可能性が高い。
壁内人類の使っている文字が、例の逆さカタカナ文字だからである。
★逆さカタカナ文字に関する2015年1月13日現在の仮説:「壁内人類は日本の研究所(または日本人研究者)に作られた生物であり、日本人から習った片仮名を自分たちの文字として二千年間使い続けた結果、元の片仮名の形が忘れられ、伝言ゲームのように次第に文字の形が変化して、現在の逆さカタカナ文字になった」
言い換えれば、「文字が変化するほど長い時間が経っている」ことを表現していると考えられる。
>つまり、ライナーが「俺には読めない」と言っているのは「俺は日本側の人間ではない(ヨーロッパ側だ)」という意味であり、「お前・・・・・・ よく・・・この文字が読めたな・・・ユミル」と言っているのは「日本語を読めるという事は、お前は日本側の人間だな?」という意味です。
・リヴァイの母はケニーの妹「クシェル」?ミカサの母と同一人物か?
※Kuschel (クシェル):ドイツ語。優しく抱きしめる。
・レイス家の歴代継承者が記憶と真実を公表しない理由は?
実はレイス家や王政こそが奴隷の家系だから?
現在の王政は前王家に反乱して権力を奪取した?
公表すると統治の正統性を失う?
レイス家=「ユミルさま」?
ユミルが初代王?
・ロッド・レイス卿自身が継承者にならない理由
やたらに追憶にふけって遠い目をしている事から、実は何らかの方法で壁の創生からずっと生きている?
外部(月)と連絡を取る役なので、外見が変わるとまずい?(1巻 第1話「二千年後の君へ」>巨人は食べた人間の容姿に変化する説)
そもそも、父親がロッド・レイスという英語圏風の名前なのに、なぜ子どもたちはドイツ系の名前なのか?
そして、なぜ長男のウルクリンだけドイツ系の名前でないのか?
年齢:名前(スペル) 意味 ※年齢は5年前のグリシャ襲撃時のもの
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不明:ロッド英語のrod? 普通は「杖」。他に「ムチ」、「職杖」(メイス=こん棒)、「権威、権力、職権」。「避雷針」の意味もある(巨人化の光=雷?私のグリシャ=ゼウス説にもつながるか?)。 lodだとイスラエル中央区の都市ロッド(ロード)になる。
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不明:ウーリ(ドイツ語 Uli) 伝統、富、指導者。ロッドの「とちくるった弟」。ケニーは非常に信頼している模様。主人を持った瞬間にリミッター解除できるアッカーマン家特有の主従関係か?下記のフリーダに食べられた弟と同一人物かどうかは不明。(2015年1月23日修正、追記)
不明:ロッドの弟=フリーダの叔父。先代継承者。842、フリーダに食べられる。上記ウーリと同一人物かどうかは不明。(2015年1月23日追記)
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18歳:フリーダ(ドイツの女性名なら Frida またはFrieda。あるいは英語のfreeから?)842、15歳で叔父を食べて継承者になる。
不明:ウルクリン シュメールの都市ウルクに由来か? 古代都市の名を持つ人物に秘密がある? 2年ごとに子どもが生まれているとするなら16歳か?
14歳:ディルク(ドイツ語 Dirk) 人々の指導者
12歳:エーベル(ドイツ語 Edel) 高貴な
10歳:フロリアン(ドイツ語 Florian) 花
10歳:ヒストリア(ギリシア語 historia) 探究。英語のhistoryから? 「鎧や超大型の壁襲撃・グリシャのレイス家襲撃・母親死亡・牧場から辺境開拓地へ移動」が10歳→845。「訓練兵入団」が2年後で12歳→847。「訓練兵卒業」が15歳→850。なぜフロリアンとヒストリアだけ同じ年齢なのか?2人が取り換えられた可能性は?(2015年1月23日追記)
※第63話「鎖」で気になるのは、グリシャ襲撃シーンの1ページ目のレイス家が勢ぞろいするコマで、ウルクリンだけが不自然に離れて、グリシャと同じページに入っている事。グリシャとウルクリンは何らかの関係がある?(同一人物、など)
おまけ。
15巻第62話「罪」
モッペル(Moppel)ふとっちょ、ずんぐりむっくり
エルゲルヒェン:エンゲルヒェン(Engelchen)の間違い?エンゲルは天使。エンゲルヒェンは「天使ちゃん」というニュアンス。
長男だけ、他の兄弟姉妹と異なる存在なのか?
たとえば、「実はロッドが初代王。レイス家の長男は初代王のクローンで、成人すると先代のロッド=初代王の脳を移植される。この手術によって、初代王は100年以上生きてきた」、などの理由があるのではないだろうか。
仮説。
かつて地球人は巨大建築や惑星改造などの労働、および人間の代わりに戦争させる兵器として巨人細胞を開発。
さらに巨人化技術を応用して、動物を改造して獣人を作った。
しかし獣人たちは逃亡し、地球人の目の届かぬ場所(たとえば土星衛星タイタンや木星の衛星ガニメデなど)に壁を作って平和に暮らしていた。
これがユミルたちである。
そこへ地球を破壊し尽くし、動物を食べ尽くした地球人が壁に逃げ込んできた。
ユミルは地球人を受け入れてやったが、人類は恩を仇で返して、壁を奪って自分たちのものにしてしまった。